文春オンライン

絶体絶命の場面での神対応…イモトアヤコが「一生ついていこうと心に誓った」女性芸人とは?

『棚からつぶ貝』

2023/12/07

source : 文春文庫

genre : エンタメ, 芸能, ライフスタイル

note

「あさこさん‼ もし良ければ今度一緒に飲みませんか?」

「いいね、もちろんだよ」

「お店はこちらで手配します‼」

ADVERTISEMENT

 焦りからなのか「!」を多用したのを覚えている。

 無事に日程やお店も決まり(番組のスタッフさんが全てやってくれました)いざ当日。

©文藝春秋

収録中に起きたハプニング

 いかにもドッキリ番組で出てきそうな個室の部屋……。

 いたる所に隠されている小型カメラにマイク。脂汗ダラダラの後輩。そんな異常すぎる状況にあさこさんが気付くのも時間の問題ではなかろうか。

 ただどんなに怪しかろうと、大好きなあさこさんとの初めての食事に変わりはない。そうだ、たまたまカメラが回っているだけだと考え、あさこさんとの時間を盛大に楽しもうではないか。そう思うと一気に気持ちが楽になり、結果、聞きたいことを聞き、伝えたいことを言い、笑いあった。

 サシ飲みも終盤。

 ほぼドッキリの仕掛け人であることも忘れかけていたその時だった。

 いきなり、壁に仕込んであったマイクの送信機が我々のテーブルに落ちてきたのだ。紛れもないマイクの形。あさこさんも仕事の現場で幾度となく見ていたマイク。あまりにも突然のことに、仕掛け人である私はただただ慌てふためきアワワ状態。完全にばれた。私だけでなく、裏でモニタリングしているスタッフさんも終わったと思ってるであろうその時。