漫才日本一を決める『M-1グランプリ2023』の予選が佳境に入っている。本稿執筆時点では準々決勝が終了しており、そこを勝ち抜いた30組の芸人が12月7日に行われる準決勝に挑むことになっている。
現在、動画配信サービス『TVer』では、惜しくも準々決勝で敗れた芸人たちのネタ動画が公開されている。その中から個人的におすすめの5組を紹介する。興味があればぜひ動画をチェックしてみてほしい。
【カラタチ】
アイドルオタクの前田壮太(右)とアニメオタクの大山和也(左)の2人から成るガチオタク漫才師。前田がうつむき加減のまま早口でまくし立てるように話を進めていく。
お互いが相手をうっすら軽蔑し合っているオタク同士のいびつな関係性を見事にネタに昇華している。観客にドン引きされるような気持ち悪さは抑えめにしているものの、前田の言葉の端々ににじみ出ている「本物感」がたまらない。
ネタ動画:https://tver.jp/episodes/ep4x4itumi
【コーツ】
永田敬介(左)と栗原泰之(右)のユニットコンビ。ファンタジックな設定で、鬱屈を抱えた雰囲気の永田が、力強く自身の主張を熱弁するさまがロックスターのようで面白い。見る人の心に何かを残していく味わい深い漫才である。
ネタ動画:https://tver.jp/episodes/epw138vmrr
『ABCお笑いグランプリ』優勝コンビも敗退するレベルの高さ
【隣人】
準々決勝敗退者の漫才の中で個人的には一番好きだった。『キングオブコント2023』でも決勝に進んで猿と落語家の不思議なコントを見せた2人が、ここでも斬新な設定の漫才コントを披露している。
ネタの設定選びには先鋭的な部分があるが、昔ながらの古典的な漫才の味わいもあり、誰が見ても笑える懐の深い傑作だと思う。
ネタ動画:https://tver.jp/episodes/epfe5fzaht
【ダブルヒガシ】
今年の『ytv漫才新人賞』『ABCお笑いグランプリ』で優勝して乗りに乗っている実力派漫才師。言葉のキレ、動きのキレ、ネタの安定感は別格。この仕上がりでも準決勝には進めなかったというのだから、最近の『M-1』の厳しさは半端ではない。
同世代の漫才師の中ではすでに飛び抜けた実力を持っており、『M-1』の結果がどうあれ、今後も順調に活躍していきそう。
ネタ動画:https://tver.jp/episodes/epz9xkri01