《今年も今のところ結婚願望なし、卵子凍結済みで生活してます》

 11月21日、Xにそう投稿したのは、31歳の誕生日を迎えた指原莉乃。元アイドルの唐突な「卵子凍結」宣言はネット上で話題になり、トレンド入りする事態となった。

「卵子凍結」宣言をした指原莉乃 ©時事通信社

卵子凍結で生児を授かる割合はあまり高くない

「卵子凍結」は将来の妊娠に向けて取り出した卵子を冷凍保存する技術。信州大学特任教授の山口真由氏や、「3時のヒロイン」の福田麻貴、「フォーリンラブ」のバービーらが公表しており、キャリアと出産を両立させたい女性から選択肢の一つとして期待を集めている。

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 これについて、「個人の選択肢としてはいいと思いますが、実は生児を授かる割合はあまり高くないのです」と語るのは、産婦人科医の宋美玄氏。

「パートナーが決まっている場合に行われる『受精卵凍結』と違い、『卵子凍結』では未受精卵を凍結します。妊娠するためには卵子を凍結状態から溶かし、体外受精をする必要がありますが、細胞分裂を繰り返して密度のある受精卵と違い、未受精卵はぶよぶよとしたイクラのような状態なので、品質を損なわずに解凍するのが非常に難しい。そのため、未受精卵は受精卵に比べ、妊娠の確率が低くなるのです。2022年10月のイスラエルの報告だと、11年から18年の間に446人が卵子凍結を行って、その卵子を利用しようとした人は57人、最終的に出産に至った人は13人です。

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 一方で、『卵子凍結』の費用は採卵から凍結まで50万~100万円ほどと高額です。保管料は卵子の数や保存年数によって異なりますが、若い時に凍結し、保管期間が長くなれば、それだけ費用もかさんできます」