ピリピリとした空気に居心地が悪くなった結果
子猫は無事に戻ってきて飼い主に返すことができたが、1週間とはいえペットを飼う申請をしていなかった藤井さんは、管理会社からも怒られてしまった。
「その後、お隣さんに何度も謝罪しましたが『怪しい行動をせずに、ひと声かけてくれればよかったのに』とチクリと言われてしまいました。一度できた溝はなかなか埋まらず、ピリピリした空気に居心地が悪くなって、まだ更新前だったけど引っ越すことに。ペットからは簡単に目を離してはいけないなと学びました」
ニャーと鳴きながら隣人の部屋に行ってしまった
最後は、1LDKマンションで同棲していた彼女と一緒に猫5匹(親猫2匹、子猫3匹)を飼っていた大森裕二さん(仮名・50代)のエピソード。
「僕が住んでいたのは2階の角部屋で、隣の部屋には留学生と思しき若い外国人の女性が一人暮らしをしていました。
うちで飼っていた5匹の猫のうち、1匹は人懐っこくて好奇心旺盛で日ごろからよく脱走していたんです。その日も洗濯物を干すためにベランダの窓を開けていたら、少し離れた隣の部屋のベランダにヒョイと飛び移って行ってしまって。しかも、飛び移った隣の部屋も窓を開けっ放しだったらしく、そのまま猫が『ニャー』と鳴きながら部屋に入っていってしまったんです」
「うちの猫がすみません」と謝ったものの…
すると、隣の部屋から「キャー!」という女性の悲鳴が響き渡り、ドタドタと逃げまどう様子が伝わってきた。
「これはヤバいと思って『うちの猫がすみません』とすぐに声をかけたんですが、その女性は猫が嫌いだったようで、ものすごい剣幕で怒られました。女性はパニック状態で、お互いに話す言葉がわからなかったこともあり、こちらの弁解が伝わらなくて。翌日、女性の部屋のベランダには猫よけの巨大なバリケードが設置されていました」
このトラブルの負い目から、ちょっとした物音でも「迷惑だったかな」と気にしてしまうようになったという大森さん。ペットとの快適な暮らしを保つためにも、隣人と良好な関係を維持できるよう目を配ることが大切だ。