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幹部 大ごとにはなっていないけど、今でも揉めたりはあるよ。最近でもあった。基本的にはきちんとアガリを納めさせているからね。でも、序列はできているな。あいつらがその場の勢いで噛み付いて歯向かったりしてきても、結局はヤクザには勝てないのが分かるから次の日には話が付いちゃうものなんだよ。

 こっちは警察から雁字搦めにされて動けないんだから、外国人マフィアとの関係は利用した方がいい。あっちもそうだろうしな。その場限りの短期で金稼ぎをする外国人マフィアはいるし、警察当局は実態が分からないから捕まえようがない。これからもどんどん外国人マフィアを使うヤクザが増えるんだろうな。

──暴対法と暴排条例でヤクザを締め付けた先が、外国人マフィアの台頭とは皮肉なものですね。例えば、どのようなシノギをヤクザと外国人マフィアはやるのでしょうか?

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幹部 自分の知っているのだと服屋だね。よく、アフリカ出身の外国人マフィアが、繁華街で日本の気の弱そうな若い奴に声をかけて売るような狭い服屋をやるよ。ヤクザが偽ブランドの服を用意している。家賃も相当、安く済むらしいから楽なシノギだよな。あとは、その服屋は立ち退き関係でも使ってるのを聞いた。退去命令が出ているビルとかで、家賃なんて払わずに服屋を開いちまうらしいんだ。文句言われても、日本語が分からない振りなんてしちゃって。あいつら、身体はでかいし迫力があるからなかなか追い出せないよ。

薬物密輸を成功させる秘密

──ところで外国人マフィアで多いシノギが薬物密輸、密売のイメージがあるのですがそこはいかがでしょうか? やっぱり外国から薬を持ってくるのに、外国人マフィアが絡んでいるケースが多い気がします。

写真はイメージ ©getty

幹部 ヤクザでご法度な行為は、薬、もしもし(ヤクザ用語でオレオレ詐欺の意味)、つっこみ(ヤクザ用語で強姦)、タタキ(ヤクザ用語で強盗)などがあるけれども、それはシノギが厳しくて表向きの建て前になりつつあるのが実情だ。自分はやらしいことが大嫌いな性分だからしないが、真面目で優しいヤクザは儲からない。

 ご法度なシノギで外国人マフィアを使っているヤクザは結構いるね。例えば、まとまった量のシャブ(覚醒剤)なんかを仕入れるには都合が良い。今、シャブの値段は警察の取り締まり強化もあり高騰していて、相場が1キロで1000万から1000万後半いかないぐらいの金額かな。リスクが非常に伴うから、そうした中で大量にシャブを密輸できる外国人マフィアはヤクザから重宝される。

 あとは、外国人マフィアとは関係ないけど、飛行機の機長や客室乗務員にヤクザは擦り寄ろうとするね。乗客と違って、空港の持ち込み検査のチェックが少し甘いらしいんだ。まさか、機長や客室乗務員が薬物を密輸するとは思わないよな。ヤクザは何でも物事の隙を突くんだ。