「仕事の案件は渥美が基本的に取ってきて、堀に渡すという構図でした。金の流れも同様で、渥美に一旦振り込まれた金から堀に支払われる流れだったと思います。そういう意味で、2人には明確な上下関係があった。5年ほど前から、堀は詐欺トラブルに巻き込まれ、金に困っていたらしい。いずれにせよ、金銭面で、渥美が堀の生殺与奪の権を握っていたのは間違いない」
堀は警察の調べに「野本さんが行方不明になった6月7日から8日にかけて奥多摩の方に車で行った」と供述。野本さんを運んだワゴン車は、渥美が中古車販売店から代車として借りたもので、後部座席からは野本さんの血痕が見つかっている。
遺体を遺棄したとみられる6月以降も、平然と仕事を続けていた
「堀は逮捕当初、『何かわからない物体を運搬した』と供述していましたが、野本さんの死亡に関与した“主犯”である渥美の指示のもと、遺棄を手伝わされたと見られている」(前出の社会部記者)
野本さんの遺体を遺棄したとみられる6月以降も、2人は平然と仕事を続けていたという。前出の建設業関係者が話す。
「事件の少し前から横浜市の大型マンションの大規模修繕工事が始まり、そこで渥美と堀は働いていました。渥美は見た目がヤンチャだけど真面目で、堀は職長として部下を指揮して毎日現場にいた。死体を遺棄したとされる6月にも休みを取るわけでもなく、2人の様子は全く変わらなかった。今思えばどんな心境で、2人が顔を合わせていたのかと恐ろしくなります」
渥美と堀はどのような犯行の口裏合わせをしていたのか。警視庁は2人が犯行に至った経緯を慎重に調べている。
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