「船橋しらぬひ」の画期的発明
千葉県JR船橋駅から南側へ歩いて9分ほどのところにある「船橋しらぬひ」は2022年12月12日にオープンした。店主の山崎大さんは「四谷政吉」の立ち上げ時に店長をしていた。
「肉つけそば」は「小海老天つけそば」と並ぶ人気メニュー。しかし、冬になるとあったかいバージョンが欲しいという意見を受けて開発したのが、アツアツの「肉まぜそば」(950円)である。さっそく注文してみた。
紺色の大きな丼に多めの太いそば、国産海苔、豚バラ肉、白ごまがのっている。そしてアツアツのそばにはラー油がかけまわしてあり、それに熱い肉汁、これは肉のエキスと返しを合わせたものがかかっている。ネギを煮たり注ぎ足ししているので、濃いめのつゆである。それらを混ぜながらダイナミックに食べていく。これはうまい。肉とそばが一体となってあつもりの油そばのような雰囲気である。
途中で玉子をといて肉つけそばと同じようにすき焼きのように食べたり、そばの上に落として混ぜて食べたりと味変を楽しめるようになっている。卓上にはお酢、七味もあり、さらに味変ができる。完成度が高い一杯であり、このバージョンは唯一無二である。船橋でこの味が食べられるのは有難い。なお年越しそばも予約受付中だ。
INFORMATION
「船橋しらぬひ」
住所:千葉県船橋市本町2-5-19 ベルクレール拾伍番館101
営業時間:月~土11:00~15:00、17:00~22:00
定休日:日祝
https://funabashi-shiranui.jp/
江古田「のじろう」が追求した「美と味」
江古田の「のじろう」は2020年12月の創業である。こちらもうまい「肉そば」を提供することが開業の目的でもあったという。そばは太麺で、製麺所と組んで独自の麺を開発し使用している。この麺はコシもありなかなかうまい。
「冷やし肉そば」は食べていたが「肉そば」はまだだったので食べに行くことにした。久しぶりの三津田店長に挨拶しさっそく注文する。ほどなく出てきたそのビジュアルは跳ねるネギが芸術的だ。さすが日芸の街である。
さっそくつゆをひとくち。このつゆは独特だ。鰹節は使っていない。鯖節、宗田節などから出汁をとり、自家製の返しを合わせて作っている。豚バラ肉を一口食べてみる。やや厚めの肉はうまみと甘みがじわっと広がっていく。油と肉のバランスも肉の弾力も丁度よい。シャキっとしたネギとしっとりした肉を交互に食べるのがよい。
INFORMATION
「のじろう」
住所:東京都練馬区小竹町1-57-5
営業時間:8:00~20:00
定休日:なし
紹介したどの店も肉と対話しながら、そばとつゆとの調和のとり方を試行錯誤して、現在の味を作り出している。本当にありがとう存じます。さあ、アツアツの「肉そば」を食べに行こう。そしてよいお年をお迎えください。