筆者は文春オンラインを通じてウィズダムアカデミーに、スタッフに対して性犯罪を防止するこのような指導をしていたのか、また防犯カメラの死角やカメラの映像を従業員が持ち出すことを防ぐ措置をとっていたのかなどの質問を送ったが、回答は得られなかった。
被害児童のうちの1人の両親は次のように語る。
「子どもを預かる重要な仕事なのに、スタッフの質が十分だったのか疑わしいと感じています。安い給料で募集して、誰かしら埋めてくれる人がいたらという形で誰でもいいからと雇ったのではないか」(母親)
「共働き家庭にニーズがあり伸びしろがあるからといって、拡大が優先になっていたように見える。子どもに対する接し方などをどこまでちゃんとみていたかわからない。月5万円からオプションによっては10万以上払っている家庭もある中で、こんなにずさんな体制とは思わなかった」(父親)
逮捕後も、利用者に対して情報開示や調査をした形跡がない
佐藤被告が5月に逮捕されてからすでに半年が経過し、公判も進んでいる。しかしウィズダムアカデミーは、12月8日にNHKが報じるまで、事件があったことや今後の対策の発表、謝罪などを利用者に対してした形跡がない。
これに対し、ウィズダムアカデミーからは次のような回答だった。
「公表を避けたい旨のご意向をお持ちの被害者様・ご家族もいらっしゃることから、公表による二次・三次被害を防ぐことが最重要と考えてまいりました」
「弊社におきましては、このたびの児童に対する性的暴力事件は全く許し難い犯罪行為であると重く受け止めており、考え得る限りの再発防止策を検討・策定しております」
しかし、再発防止策について具体的な内容は明らかにされていない。
被害者の父親も「潜在的な被害者がほかにもいるかもしれないのに、自社内で解決しますと言って、臭いものにふたをしているのではないか」と憤る。