三井物産グループの人材サービス会社・MWH HR Products株式会社(以下、MHRP社)が、元従業員への残業代未払いをめぐり、三田労働基準監督署から2度にわたる立ち入り調査と是正勧告を受けていることが「週刊文春」の取材でわかった。また、同社は元従業員3名から未払い賃金の支払いを求めて提訴もされており、現在も訴訟は続いている。
三菱商事、伊藤忠商事とともに「3大商社」の一角をなす三井物産。昨年度の純利益は総合商社として初めて1兆円を超えるなど、業績は好調だ。
MHRP社は三井物産のグループ会社である。
「2021年11月、三井物産の完全子会社であるMBK Wellness Holdings株式会社(以下、MBK社)が人材系企業・ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス(以下、ヒューマン社)のTOB(株式公開買い付け)を実施。その後、2022年10月にヒューマン社を吸収合併しました。それに伴い、ヒューマン社の傘下だった2社『AIMSインターナショナルジャパン株式会社(以下、AIMS社)』と『株式会社A・ヒューマン』が合併して2023年10月に誕生したのが、MHRP社です。つまり、三井物産からすると“孫会社”に当たります。
MHRP社は経営層に特化した人材紹介サービスをウリとしており、『三井物産グループ唯一の総合人材サービス企業』を掲げ、マスコミ・医療・金融など、多業種にわたるヘッドハンティングを行っています。今年11月には、『日経ビジネス』(電子版)に幹部らのインタビューが掲載されました」(経済系ウェブメディア記者)
「未払いの残業代の支払い」を求めて提訴
そんなMHRP社が今、元従業員への残業代未払いを巡って深刻なトラブルを起こしている。
2022年1月、MHRP社の前身であるAIMS社の元従業員Aさん(50代)、Bさん(60代)、Cさん(50代)が、「未払いの残業代の支払い」を求めてAIMS社(当時)を相手取って民事訴訟を起こした。