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 2017年オフに日本ハムからポスティングシステムでエンゼルス入りした際も、ドジャースは最終候補7球団に残っていた。しかし当時はドジャースが所属するナ・リーグに指名打者(DH)制度がなく、大谷は最終的にエンゼルスを選択している。

「プロ入り時、ポスティング移籍時、今オフとドジャースは高校時代からずっと熱意と誠意を示し続けてきました。大谷もそのことに感謝していたと思います」(同前)

 さらにドジャースは、今年の大谷獲得を視野に入れて、昨年から大型補強を控えて資金を温存している。チーム編成でも、DHで重なるJ.D.マルティネスとは単年契約にとどめ、シーズン33本塁打を放っても再契約を見合わせていた。他選手がつける背番号17の譲渡も説得済みだったという。

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WBCでは優勝の立役者に ©文藝春秋

 ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が「翔平は最優先事項だ」と語ったように、二刀流も含めて大谷の受け入れ態勢が万全であるアピールを欠かしてこなかった。

敏腕記者までだまされた「ブルージェイズ本命説」

 そして昨季からついにナ・リーグにもDH制が導入され、ドジャース移籍の最大の障害は消えた。

「大谷がFAになったときから、ドジャースが最有力であることは明らかでしたし、大谷はこれまでも契約の決断は早いタイプ。11月に大谷のMVP会見が取りやめになったのも、手練れの記者の質問を受ければ、決断に勘付かれてしまうことを警戒してバレロが要望した可能性もあります」(同前)

犬と一緒にMVPインタビューを受けた大谷翔平 MLB公式Xより

 大谷とドジャース、10年越しの相思相愛は12月4~7日のウインターミーティング中には決着すると見られていたが、そこで急浮上したのがブルージェイズだ。10億カナダドル(約1080億円)の用意があるという地元報道を受け、一躍有力候補に浮上した。

 さらに、昨オフにアーロン・ジャッジとヤンキースの再契約をスクープした敏腕記者・ジョン・モロシ氏がブルージェイズ説をプッシュしたことも追い風になった。

 しかし、これはすぐに誤報だったことが判明する。