「車はステータス」の時代が終わっても、乗り物に夢とロマンを見出す者が絶えることはない。「若者の車離れ」などどこ吹く風、若き“車バカ”たちの情熱に迫る!
今回は、「FUELFEST JAPAN 2023」出展者のなかから「たまご」さんをご紹介。
今は最後のモラトリアムですから
今は大学4年生なんですけど、ちょっと前に就活が終わったもんで、今日はこんな髪で来ているんですよ。ヒップホップが大好きなので、就活前はしばらくドレッドにしていましたね。今は最後のモラトリアムですから、後悔のないように楽しんでおきたくて。
ブラックカルチャーにハマったのは、「ワイルド・スピード」がきっかけです。このチャージャーに憧れたのもそれからですし、音楽やファッションの面でも惹かれる部分があったんですよね。なんというか、生き様がスタイルに表れているのがカッコいいなって。
この車は1年ほど前に、300万円くらいで買いました。当然一括で払えるような金額じゃないので、とりあえず100万円を用意して、あとは父親から借金して。父親も昔から車好きなので、かなり親身になってくれるんですよね。母親の方は「もう好きにしたら」と、軽く呆れている様子ですけど……。
もちろん親からの借金とはいえ、やっぱり返済しながら維持費も払っていくのは結構キツいですから、今は死ぬほどバイトしています。両親が養鶏をやっているので、それを毎日手伝っている感じですね。今は餌代もかなり高騰しちゃっていて、そんなに景気はよくないみたいですが……。
バイト三昧で大変ですけど、それでも車があると大学生活に華が出てくるなと感じますね。同級生にもそれなりに車が好きな人はいますけど、実際に自分で維持している人はやっぱり少ないですし。授業にもこれで行っているので、「いいなぁ」と羨ましがられることは多いですね。
実はこれの他にもジムニーを維持していて、オフロードもちょくちょく走っているんですよ。今ではその方面の知り合いも増えて、一緒にキャンプしたり。今はSNSなんかで同じ趣味の人がつながれる環境もあるので、色んな楽しみ方ができますよね。
卒業後は車の部品関連の会社で働ける予定なので、しっかり仕事をして、趣味も楽しんでいきたいですね。いずれは実家の跡を継ぐことになるかもしれませんが、まずは着実に、採用してくれた会社で社会経験を積ませてもらおうと思います。