最新の盗難手口「CANインベーダー」と「リレーアタック」
最近の盗難手口として主流になりつつあるのが、この「CANインベーダー」と「リレーアタック」と呼ばれる手法だ。
「CANインベーダー」とは、車の配線に専用装置を繋ぎ、車載ネットワークへ接続する手口のこと。ネットワークにアクセスさえできれば、自在に車が操作できてしまうため、根本的な対策にはかなりの費用がかかってしまう。
佐藤さんが懸念していた「リレーアタック」とは、車のスマートキーから発せられる微弱な電波を、中継機を使って増幅させて車まで繋ぎ、ロック解除やエンジン始動を狙うというやり方。つまり玄関付近など外から電波が拾われやすい場所にスマートキーを置いておくと、その電波を増幅して、簡単に車を解錠できてしまうのだ。
こうした被害を防ぐために、「スマートキーは窓や玄関付近に置かず、電波が遮断できる箱に入れる」などの対策が求められている。
加入していた車両保険でローンを返済
一目惚れした愛車を失った上に、高いローンだけが残ってしまった佐藤さん。その後、ローンの返済はどうしたのだろうか。
「念のため対人、対物での損害補償と盗難補償をつけた車両保険に入っていたので320万円ほど保険金がおり、ローン返済に充てることができました。毎月の保険料は高くつきましたが、入っておいて本当によかったと思います。保険がおりたことで、沈んでいた気持ちも切り替えることができました」
人気の高級車を手に入れるということは、リスクも付き物
保険がおりたことで、すぐに新しい車も手に入れられたという。
「次の車は、ランクルと同じくらい憧れていたジープにしました。でも、購入後すぐ派手にぶつけてしまって……。自分にはランクルやジープのような車は縁がないのかなと思って、今は軽自動車に乗っています。
街中でランクルを見ると、やっぱりかっこいいし、つい目で追っちゃうんですけどね。盗まれた時の絶望感を二度と味わいたくないので、もう乗ることはありません」
人気の高級車を手に入れるということは、リスクも付き物のようだ。