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どこに座れば快適か? 座席選びの鉄則12カ条――鉄道編

プロが教える「旅の新常識」

2018/04/02
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 旅先に占める移動時間の割合は少なくない。短期間の旅行が多い日本人ならなおさらだろう。その際、座る座席の位置について、どれだけ意識をしているだろうか。そこで、ベストの座席を確保するためにはどうすればよいのか、ここで改めて考えてみたい。

座席指定によって、鉄道旅行の快適性や楽しみは大きく左右される。写真は富士川を渡る東海道新幹線

1. ホームで待つときは最後尾で

 バスと異なり、2両以上連結されている列車では車両によって混雑度に大きな差があることが少なくない。自分の乗った車両は立錐の余地もないのに車両を移動するとがらがらといった経験はないだろうか。こんなとき、混んでいる車両で立ち続けるのは単なる体力の消耗に過ぎない。そこできわめて簡単な解決策がある。それは列車が入線する際、最後尾で待つのだ。そうすると目の前を通過する車両すべての混雑具合が手に取るようにわかる。そのなかでもっとも空いている車両に移動すればよいのだ。自由席が3両連結されている場合ならば、そのうち一番手前の車両前で待つのがベストだろう。

ホーム最後尾で待つと、入線時に車両ごとの混雑具合は一目瞭然だ。

2.待つときは階段から遠いドアを選ぶ

 途中駅から乗車する場合、1車両の車端部のデッキに2か所ドアがある場合は、階段から遠いほうのデッキを選びたい。降りる人は基本的に階段に近いほうのデッキから出たがるので、降り終わるまで時間がかかることが多い。そのため、乗り込むのが遅れ、座席確保の可能性が低くなる。

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3.新幹線では一番端の車両をさける

 新幹線では運転台がある関係上、一番前と一番後ろの車両は座席数が少ない。これは鉄道に詳しい人には比較的知られている事実だが、再確認しておきたいことだ。たとえば東海道新幹線の主力であるN700系の場合、2号車の定員が100名であるのに対して先頭車両の1号車は65席しかない。当然のことながら同じ人数が並んでいたとしても確保できる席が少ない分不利になる。ただし、在来線の場合、新幹線ほど「鼻が長くない」ので、端の車両の座席数が極端に少なくなることはない。また、一般的に編成が長い車両では、端にいくほど空く傾向があるので状況により判断したい。

4.新幹線は3人がけのほうがよい?

 新幹線の普通車は3人がけと2人がけのいずれかを選べるが、どちらかというと2人がけの方が人気は高いようだ。だが、1人で利用する場合、本当に2人がけのほうがよいのだろうか。たしかに満席になった場合は、3人がけよりも2人がけのほうが快適だろうが、混雑度が8割程度の場合は、3人がけの真ん中の席は空く可能性が高い。一方、2人がけで隣に人が来ないのはかなり空いている場合にかぎられるだろう。