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マサイ族に惚れ、交際0日で結婚へ…第2夫人となった日本人女性(55)が語る、結婚するまでの経緯「全く常識が通用しなかったけど…」――2023年読まれた記事

マサイ族と結婚した日本人・永松真紀さんインタビュー#2

2024/01/04
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2023年、文春オンラインで反響の大きかった記事を発表します。インタビュー部門の第2位は、こちら!(初公開日 2023年7月29日)。

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 ケニアとタンザニアに暮らす少数民族・マサイ族。そのマサイ戦士のリーダーと2005年に結婚し、第2夫人となったのが、ツアーコーディネーターの永松真紀さんだ。

 一度目の移住ではケニアを「大嫌い」になったものの、マサイの魅力に開眼したことで同国の奥深さにハマり、再移住。ケニア在住歴は30年になろうとしている。そんな永松さんに、アフリカの地に旅立ったきっかけから、マサイ戦士と交際0日で結婚するに至った経緯まで、さまざまに話を聞いた。(全2回の2回目/最初から読む)

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永松さんとジャクソンさん ©Koji Kitagawa

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マサイ族に深くハマったきっかけ

――永松さんは80年代後半から一時帰国も含めて30年ほどケニアに暮らしています。マサイ族との交流はいつから始まったのでしょうか。

永松真紀さん(以降、永松) ガイドとしてツアーに同行すると野生動物がいる国立公園を案内するのですが、そこには必ずマサイがいるんですね。彼らの居住エリアはだいたい野生動物の生息地と重なっていて、国立公園のそばで観光客向けに村を開放しているマサイもいますから、そういった意味では本当に表面的な交流だけは昔からあったし、存在ももちろん、知っていました。

――そんなマサイに深くハマったきっかけはなんだったのでしょうか。

永松 今の夫・ジャクソンと出会ったきっかけでもある、伝統的な儀式「エウノト」を見に行ったことですね。カメラマンの知人に誘ってもらってたまたま貴重なその儀式に立ち会うことができたんですが、今まで自分が案内していたマサイの知識は本当にペラっとした1ページ目だけだったんだなと気が付きました。

ジャクソンさんとの初めてのツーショット ©Koji Kitagawa

「なんて美しいの、マサイ……!」男泣きする姿を見て夢中に

――「エウノト」はどんな儀式なんですか?

永松 1週間ぐらいかけて行う、成人式のようなものです。マサイは子ども時代、青年時代、大人時代、長老時代と人生を4つに分けて考えていて、上の世代に上がる時には必ず儀式を行い、みんな一斉に次の世代に上がっていくんですね。「エノウト」は青年から大人になる儀式です。

 19歳とか20歳とかって年齢を1年ずつ数えたりしないので、うちの夫も自分が何歳か分かってません。ただ、今自分がなに時代にいるかは儀式を経ているので認識していて、夫は昨年、長老の時代に入ったところです。推定年齢で50歳前後でしょうか。

――その中でも、青年期から大人時代になるための「エウノト」は特別?

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