始まりは安倍総理(当時)の発言だった
私はそうではないと思います。発端は2017(平成29)年2月17日。安倍総理(当時)が森友学園への国有地巨額値引きをめぐり「私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員もやめる」と言い切ったことが始まりです。
その5日後の2月22日、佐川さんは大臣官房総括審議官だった太田充さんや他の官僚とともに菅官房長官(当時)に呼ばれ総理大臣官邸を訪れていますね。その後、菅さんの事務所にも。そこで森友事案について“説明”したそうですが、どんな説明をしたのですか? 焦点は安倍総理や妻の昭恵さんが関与しているのかどうか。財務省に残る当時の決裁文書や調書を確認すれば一目瞭然です。安倍総理の名前は1か所にありました。
それは安倍総理が関わる日本会議という団体の幹部を、森友学園の籠池泰典理事長(当時)が務めているという記述で、だから配慮すべきだとは書いていませんがそれを匂わせる記述です。さらにマズいのは昭恵さんについての記述ですね。
H26.4.28
なお、(筆者注・籠池理事長と近畿財務局の)打ち合わせの際、「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください。』との言葉をいただいた。」との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示)。
H27.1.8
産経新聞社のインターネット記事(産経WEST産経オンライン【関西の議論】)に森友学園が小学校運営に乗り出している旨の記事が掲載。
記事の中で、安倍首相夫人が森友学園に訪問した際に、学園の教育方針に感涙した旨が記載される。
これは露骨ですね。「総理夫人が共鳴し深く関与している学園だから、国有地を異例の扱いで貸し付けたり売却したりして構いませんよね?」と近畿財務局の担当者が財務本省にお伺いをたてている内容です。この文書を見れば「昭恵さんが関与していない」と説明するには無理があります。直接要請はしていないにせよ官僚を“忖度”させるには十分です。この説明を受けたとすれば、菅官房長官は佐川さんにどのように指示したのでしょう? 何も語らないはずはないですよね。
《全文公開》フリー記者・相澤冬樹氏が佐川宣寿元国税庁長官に出した手紙 「財務省はあなたのことを切り捨てていますよ。陰でこっそりと」
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