佐川さんはその後、部下に「こんなものは表に出せない」と発言し、これが元で改ざんが始まったと財務省の調査報告書では指摘されています。でも実はその前に、佐川さん自身が菅官房長官から「こんなものは表に出せない」と言われていたのではありませんか? 佐川さんは菅官房長官の指示に従ったということではないでしょうか?
「もっと強気にいけ PM(プライム・ミニスター=総理大臣)より」
その場合、菅官房長官は当然、そのことを安倍総理に報告したはずです。安倍さんも改ざんを承知した上で容認していたのではないでしょうか? だからこそ、後に国会で野党の質問の答弁に立つ佐川さんに、「もっと強気にいけ PM(プライム・ミニスター=総理大臣)より」という安倍さんのメモが差し入れられたのではないですか?
これは、判明した事実に基づき考えた私の“推測”です。間違っている部分があるかもしれません。それを指摘できるのは佐川さんだけです。自分一人が悪いわけじゃない、自分もそうせざるを得なかったんだ、そう申し開きできるのも佐川さんだけです。
きょう23日の午前、私はカトリック教会で親族の結婚式に参列しました。そこで十字架にかけられたイエス・キリストの像を見つめながら、ずっと佐川さんのことを想っていました。キリストは全人類の罪を一身に背負って磔になり、永遠の命を得た。今も全世界のキリスト教信者の尊崇を集めています。佐川さんは全財務省と安倍政権の罪を一身に背負って十字架にかけられているように私には見えます。
でも佐川さんのことを尊敬する人はいるでしょうか? 当の財務省の幹部すら「佐川が悪い」と切り捨てています。すべての責任を佐川さんに押しつけたからこそ、佐川さんとともに菅官房長官への説明に同席した太田さんも、「滅茶苦茶をやった」と佐川さんを切り捨てた矢野さんも、事務方トップの事務次官に昇りつめ、その後再就職しています。
佐川さんがいいポジションに再就職できる日は来ないでしょう。自分のしたことを謝罪も説明もせず「人の道に反している」と指弾される人を再雇用するような会社・団体があるとは思えません。そんなの嫌ですよね。
《全文公開》フリー記者・相澤冬樹氏が佐川宣寿元国税庁長官に出した手紙 「財務省はあなたのことを切り捨てていますよ。陰でこっそりと」
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