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「ただし、こうした役職はチャンスであるけれど、リスクも抱えています」

特捜部は通常国会開会までに裏金疑惑の捜査を終わらせる見通し

 森氏は世耕氏の心境をこう推測する。

〈世耕は自らの立場を誇りながらも、検察捜査の危険を感じていたのかもしれない。疑惑の浮上後は、周囲に当たりちらしてきたという〉

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 さらに、安倍派の裏金疑惑を巡るキーパーソンの一人が事務局長である松本淳一郎氏だ。事務局長は派閥のカネを管理する立場にある。実は世耕氏は、「5人衆」の中でもとりわけ松本氏との関係が深い。森氏はこう綴っている。

〈世耕もまた松本との関係性が注目されている。先の安倍派幹部議員が明かす。

「松本氏は前任の事務局長の定年に伴い、世耕さんがNTT勤務時代の先輩として安倍(晋三)さんに『事務のプロです』と引き合わせた。世耕さんがこの先安倍派を牛耳るために送り込んだと見られています」〉

 特捜部は1月下旬の通常国会開会までに裏金疑惑の捜査を終わらせる見通しだ。過去5年間で受け取ったキックバックの総額が1000万円を超えると報じられている世耕氏だが、果たして捜査の行方はどうなるのか。

安倍派事務所に家宅捜索に入る特捜部 ©共同通信社

 森氏が執筆した「安倍派五人衆の驕り」では、昨年8月から9月にかけて、森氏が萩生田氏と松野氏にインタビューした際のやり取りも紹介。この2人は安倍派の資金面や運営の在り方に加え、解散の行方などについても語っていた。記事全文は、1月10日発売の月刊誌「文藝春秋」2月号及び1月9日公開の「文藝春秋 電子版」に掲載されている。