「スゴいっすよね」「世界平和っすよね」
特にこの衣装が「昨年ニューヨークに進出した」という点について、どう思うかということを。7人中3人が「知りません」と言った。
ニューヨーク進出とかそんなことはどうでもよく、自分たちの地域(中学校時代)の繋がりが重要。そんなところか。
その他もおしなべて、一応知ってはいるがニューヨークなど無関心というところ。
「スゴいっすよね」
「世界平和っすよね」
「俺も世界進出っす」
そして、目立ったものとしてはこういったコメントも。
「観光資源というのなら、助成金ください。この衣装高いんすよね」
この日の現場での話を総合すると…みな貸衣装代としておよそ20万円~35万円を払っていた。いっぽう、「世界的な観光資源化」というのはまだまだこれからというところで、この日目にした外国系の観光客は1~2名程度だった。
イベントとド派手衣装はこれからどうなる?
毎年メディアで大きく報じられる北九州の成人式。繰り返しになるが、20歳になることを記念して、この一日のために燃える、というイベントなのだ。「私はここにいる」と強烈に示し、とにかく注目を集める。10代から職に就く者も多く、明日からまた頑張るための「儀式」としてこのド派手ファッションが存在する。
同市出身の筆者が見る限りでは、毎度この若者たちの姿を見るたびに感動を覚える。それは夏の高校野球を見る時の爽やかさにすら似ている。毎年毎年、新たな20歳たちが現れて、同級生やメディアが集まる最高の舞台で自分を見てもらう。そしてそのド派手演出のノウハウは、地域に暮らす同じ中学校の後輩たちに引き継がれていく。「若者たちも頑張って生きてるんだな」とこっちが励まされる。ちなみに中学校単位でつるむのは、原田曜平氏の著作『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』(2014年幻冬舎)によると「学校の成績で区別されないから心地よい関係」だからだという。
このイベントとド派手衣装、今後どう変わっていくだろうか。
若者たちは認められるともっと頑張る? むしろ止めたくなる?
今年の男性陣のファッションを観ていると、リーゼント系はやや減少している印象。意外に「K-POPっぽいグループ衣装」も多かったような…全員がピンクのスーツで決めた男性グループの一人に話を聞くと「そうです。BIGBANGのファンですから」と答えていた。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。次のページでぜひご覧ください。