「マッチングアプリは規制業種のため、出演して頂けるモデルの方がそもそも少ないんです。『マッチングアプリ=怪しい』とのイメージもあるためです。このため、出演頂けるモデルの方がいたとしても、ギャラが通常の5~10倍と高額になる事も多く、それならAIにしようと振り切りました」(運営事務局)
広告画像は「Stable Diffusion」というソフトで作成し、Photoshopで細かい補正をする場合もあるそう。
「広告画像を見た人がついツッコミを入れたくなってしまうような何かしらのネタを組み込むようにしています。AIっぽさを残すというのもその一つです。また、カップルの画像に関しては仲の良さそうな雰囲気を出して嫌味のないカップルになるようにしています」
「太め男性」の正体は…
やはり気になるのが、この太め男性である。運営によると「特にモデルはおらず、オリジナル」だというこの男性。
最も反響が大きかった「海の妖精」と名付けられた画像では、おなじみのTシャツ姿で、美女と水中散歩を楽しんでいる。
そのほかの画像でも、原始人に扮したり、戦国武将になってみたり、はたまた宇宙に行ってみたり……と、やりたい放題である。
ともすれば「オタクをバカにしている」ともとられかねないが、これまでネット上で激しく批判されている様子はない。なぜなのだろうか。理由を運営事務局に聞くと「特に何か工夫はしていません。なぜ受け入れられたのか不明です」とのこと。ただ、X上の反応を見てみると「清潔感があってモテそう」などの声もあり、描き方にも微妙なさじ加減があるのだろう。
さらに、オタ恋では、「オタク」という言葉を見つめ直し、2023年10月にはシステムの見直しも行っている。
「元々、通常のマッチングアプリシステムだったため、他社と違いはなかったのですが、サービスも伸び悩み苦戦している時に改めてシステム分析をしました。『オタク=特定の分野を深堀りする方々=趣味で繋がる』という、オタクという言葉の定義を再度見直し、趣味で繋がるということに特化したマッチングサービスを作ろうと振り切りました。今までマッチングサービスとしては当たり前だった『年収、学歴、いいね数、ログイン時間』などの指標を表示することをやめました」(運営事務局)
運営事務局によると「今後はタイミングを見て海外展開も考えたい」とのこと。海外にも浸透する日本のオタク文化。「オタ恋」も世界に受け入れられるのか、注目したい。