A君の父は取材に「相当辛かったのだと…」
A君の保護者は今何を思うのか。取材班がA君の父に連絡すると、辛い心の内を明かしてくれた。
「Aは小中と野球一筋でやってきて、自分から『この学校に行きたい』と頭を下げて入ったのが千葉学芸でした。偶然コロナが流行ったために2023年8月にも実家に帰ってきたのですが、その時には痩せ細り、ユニフォームのサイズも2XLからMサイズにまで落ちていました。本人は恥ずかしがりやなので、裸にされていじめられたのは相当辛かったのだと思います。私たちのような思いを他の選手や保護者にして欲しくないと強く思います」
千葉学芸高校に上級生による下級生へのイジメの内容など事実確認を求める質問状を送ったところ、以下の回答があった。
――2023年6月13日夜、寮内でA君の両手両足を掴んで動けないようにさせ、服を脱がせるイジメがあったのは事実か。
「おおむね事実。2年生が1年生1名の服を脱がせた行為をイジメと認定した」
――2年生が様子を動画で撮影したのは事実か。
「事実ではない。調査委員会が複数回調査したが、動画を撮った生徒はいなかった。また生徒たちのスマートフォンを確認したが、動画データは存在しなかった」
――動画を閲覧したとされる他の野球部員が千葉県警東金警察署で聴取されたのは事実か。
「東金警察署の調査状況は把握していない。事情聴取を受けた生徒はいるが、誰がどのような用件で呼ばれ、どのような質問を受けたかは不明。被害届が提出され、調査が行われているのは承知しているが、罪名や捜査という表現のものかどうかは聞いていない」
――2023年、野球部員20名強が翌日の練習試合のために翌深夜まで水抜き作業をさせられたのは事実か。通報を受けた千葉県警の警察官がグラウンドを訪れたのは事実か。
「翌日の試合に出場しない生徒の中から保護者同意のもとで協力する生徒を募り、生徒25名は一時帰宅の後、21時30分にグランドに再集合して水抜き作業を開始し午前0時過ぎまで行われた。複数の保護者代表も立ち合い協力した。その後、警察官がグランドを訪問し、千葉県青少年健全育成条例の深夜23時以降の外出制限に抵触するおそれがあると注意指導があり、午前1時頃から午前3時頃まで生徒らに事情聴取を行った。保護者の同意と監督のもとで実施し、深夜徘徊ではなく場所が学校敷地内で条例に違反する行為ではなかった。しかし誤解を招きかねず、深夜に及ぶグランド整備を今後行わないように指導した」
警察沙汰にまで発展した悪質な部内イジメ。日本学生野球協会が処分を発表してから約10日後の昨年12月27日、学校は今回のイジメの一件を説明するため、保護者説明会を開いた。取材班が入手した説明会の音声データには、なんと被害者側を学校側が恫喝するという、異常なやりとりまでもが記録されていた——。
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被害者側を学校側が恫喝した“異常なやりとり”の詳細のほか、保護者説明会の録音データの内容など、この記事の続きは「週刊文春電子版」で詳しく報じる。
校長は「被害者が嘘をつく」発言、監督は怒鳴って逆ギレ…千葉学芸高校野球部「下級生イジメ事件」保護者が唖然とした保護者説明会《録音データ》
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