〈「死ね」と何回も言われた〉
〈「2年●にうんこと10回言って来い」と言われ、言いに行った時、2年●にシャワーで熱い湯をかけられた〉
〈試合でミスをすると、「死ね」と何回も言われた〉
「週刊文春」の取材に応じた保護者らによると、上級生によるイジメが悪化したのはここ数年だという。イジメが明らかにならなかった理由として「保護者の目が届かない寮の閉鎖的な体質もあった」と語るのは、野球部員の別の保護者だ。
「基本的に寮に住む部員が実家に帰るのは年1回。保護者から直接監督に連絡を取ることはできない。何か起きても監督に卒業後の進路で世話になる可能性があるし、息子の足を引っ張ってはいけないという思いが勝り、何も言えずひれ伏すしかないのです」(同前)
千葉学芸高校の野球部は実力でAチームとBチームに分かれているというが、部員の立場の優劣がイジメに結び付いた側面もあると見られる。
前出の保護者が語る。
「2023年3月のある日には、翌日の対外試合のためにグラウンドに溜まった雨水を水抜きしたいと、夜9時半にBチームの1、2年生の部員30人弱が外に集められました。Aチームが部屋でゆっくりと休息をとるなか、Bチームの作業は深夜まで続きました。結局近隣が通報したようで、パトカーがやってきて作業はお終いとなったようですが、午前3時まで生徒たちは警察から事情聴取されました。
野球部からは『翌日休息を取らせるつもりだった』と連絡が来ましたが、野球をやらせに通わせているのに、その回答はないだろうと思いました。そんな時間まで不平等に働かされていたこともあり、保護者たちは憤っていたり悲しんでいたりしました。加害生徒8人はAチームで、イジメを受けたA君はBチームですから、『何をしてもいい』という特権意識が働いたのではないでしょうか」
遠方から寮で生活する野球部員は多く、A君もその1人。結局、A君はイジメを告発した翌日、実家に帰宅することになった。現在は心療内科に通ってうつ病の治療を進めながらも、寮に戻ることはできず、進路について思い悩む日々を送っているという。また手足を掴んだ2年生部員4人のうち、2人は退部したという。