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理事長みずからアルコールで“ビシャビシャ”を実演

 マスコミの取材に〈熱中症を防ぐため、短時間で焼こうとした〉とコメントした通り、学校は事故の責任を認めてはいる。だが同校の内部事情を知るAさんは、責任はもっと重いのではないかと語る。

「事故当日朝の職員ミーティングで、理事長が急に『こげんすっけん、ちゃんと見よかんばい!』と宣言し、着火剤とアルコールを手にして『短時間で火ばおこさやんけん、着火剤を“ビシャビシャ”にせやんけん!』と校長の席のあたりでデモンストレーションを始めました。机も床もアルコールでビシャビシャになった異様な光景を、職員室にいた全員が見ていたようです」

BBQでアルコールを使うことを強いた理事長(男性副校長のInstagramより)

 さらに、着火剤として消毒用アルコールを用いていたと報道されているが、使用されたのはアルコール濃度ほぼ100%の「無水エタノール」だということも分かった。

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『ファイヤーばい!』危険な“火おこし”

 コロナウイルスの消毒・除菌について厚生労働省は「濃度70%以上95%以下のエタノール」の使用を勧めているが、市販されている手指用の消毒液のアルコール濃度は概ね80%前後。着火剤として使われた消毒液はそれらをはるかに上回り、可燃性もまた高かった可能性がある。

「コロナ対策で購入していた一斗缶に入った工業用無水エタノールを小さな容器に移し替えて使用していたみたいです。“火おこし隊”としてバーベキューの下準備を担当するのは理事長、副理事長、女性副校長の3人。新聞紙にアルコールを染み込ませたものと市販の着火剤を併用して火おこしをしていました。理事長の思し召し通り、女性副校長もアルコールビシャビシャを実践していた。一方の理事長は、バーベキューが盛り上がった暁にはさらにバーベキューコンロにアルコールを注ぎ、『ファイヤーばい!』と火柱を立てる演出で周囲を沸かせようと考えていたようです」(同前)