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「ファイヤーばい!」「アルコールでビシャビシャにせやんけん!」“福岡バーベキュー炎上18歳死亡”「ハリビ」理事長の死を招く「ビシャビシャBBQ計画」とは…《書類送検》

「ファイヤーばい!」「アルコールでビシャビシャにせやんけん!」“福岡バーベキュー炎上18歳死亡”「ハリビ」理事長の死を招く「ビシャビシャBBQ計画」とは…《書類送検》

genre : ニュース, 社会

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 昨年5月、福岡県柳川市の「ハリウッドワールド美容専門学校」の敷地内で開かれたバーベキューで、学生4人が死傷した事件。1月19日、警察は専門学校の古賀英次理事長(64)など3人を、業務上過失致死傷の疑いで書類送検した。古賀理事長は、火のついたバーベキューコンロにアルコールを使用することを決定するなどした疑いが持たれている。

 いったい何が起きていたのか。事件を報じた当時の「文春オンライン」の記事を再公開する(初出:2023年6月15日/年齢・肩書きは当時のまま)。

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「短時間で火ばおこさやんけん! “ビシャビシャ”にせやんけん!」

 火のついたバーベキューコンロにアルコールをぶち込む――18歳の命を奪った非常識極まる行動の発端は、「ハリビ」の理事長の鶴の一声だった。

手指消毒用のアルコールをコンロに直接注いで事故に

 事故があったのは福岡県柳川市にある「ハリウッドワールド美容専門学校」。恒例イベントのバーベキュー大会で、3人の男子学生がやけどの重傷を負い、1人がやけどによる敗血性症ショックで死亡した。福岡県警はすでに学校を家宅捜索しており、業務上過失致死傷容疑を視野に捜査を進めている。学校は第三者委員会を設置して事故の原因を詳しく調べていく予定だ。

事故のあった「ハリウッド美容専門学校」。通称「ハリビ」

「事故は5月24日午後0時55分ごろに起きました。バーベキューは学生と教員を含めた約480人で行われ、まず理事長らが12台のコンロにアルコールを染み込ませた新聞紙などにライターで点火しました。そのうち、火の弱かった1台のコンロに20代男性教員が手指消毒用のアルコールを直接注いだことで火が爆発的に燃え上がり事故に繋がったとみられています。バーベキューが開始されてから約10分後の出来事で、18歳の学生は6月6日に亡くなっています」(全国紙記者)

 この悲惨な事故について、学校側が保護者に報告しているメールを文春オンラインは入手した。

事故について公言しないように書面でほのめかす

〈職員の安全ミスで生徒4名が火傷をする事故を発生させました〉

〈多大なるご心配をお掛け致しましたことを重ねてお詫び申し上げます〉

 事故当日の24日のメールを振り出しに、計6通のメールが送られている。神妙に謝罪の意を示しつつ、25日付の一通を境に文面のトーンが変わり始める。

3通目の保護者宛メール

〈この度の事故により怪我をした生徒とその家族に関わるお話でございますので、不用意なSNS等への発信などがありませんようにご理解の程宜しくお願い申し上げます〉

 同内容のものを生徒にも送付していることを付言して、暗に事故について公言しないようほのめかしているように読める。

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