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一周回って「年功序列」と「中途採用控えめ」が結局最強という話「プロパーをちゃんと育てる」組織が、社員やお客さまとともに成長する?

2024/01/26
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 さらに、人工知能が生成AIというとてつもないパワーのある仕組みを作り出し、これによっていままで「文系大卒」で「特に根拠はないけど背広を着てネクタイをつけた管理職の皆さん」というホワイトカラーの仕事をおおいに奪うようになってきました。どうしてこうなった。

 言い方は悪いですが、生成AIはそこまで人間の仕事は奪わないかもしれませんが、この手の組織において管理職の名のもとにあまり生産的な仕事をしてこなかったホワイトカラーや、パワポや議事録を作るだけで膨大な時給を得ていたコンサルタントや、いつもどこかで見たことのあるようなデザインやイラストを制作する仕事に従事していた人たちや、弁護士資格ももってないのに業界の過去の判例をたくさん知っていて契約書のレビューをやっていただけの法務の皆さんの仕事は確実に無くなるだろうと見られています。

AIに仕事を奪われるということ

 実際、事業協力先ではデザイナーさんやイラストレーターさん、プログラマーさんを含む世界で約6,000人ぐらいいた制作の仕事は生成AIの登場によって要らなくなり、4割ぐらい解雇する方向で経営判断されてしまいました。しかもかなりの黒字を出していた会社なのに、です。そればかりか、以前はサンノゼやハリウッドで活躍していたこれらの人たちが大手企業やベンチャーほかから一斉に解雇され始め、某社では突然部門まるごと2,000キロぐらい離れたテキサス州オースティンやカナダのモントリオールにスタジオを移すので異動するか解雇か選べみたいな話になっていて泣けます。それまで「俺は大手で働いている」がプライドやモチベーションだった奴ほどハートブレイクでズタズタになっております。

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 かくいう私も、取引先が突然カリフォルニア州オークランドからネバダ州ラスベガスに移るので顔を出せ的に言われ、 やってる仕事の半分以上を生成AIに置き換えるからよろしくなと言われたりもします。これはうっかりすると来年仕事が無くなりますかな、はっはっは。

 それってノウハウ吐き出して人工知能で相応の仕事ができるようになったら翌年から契約を切られるよなとうすうす分かっていても「仕方ないな」と飲まざるを得ないというのが現実ではないかと思うのです。

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