1ページ目から読む
3/3ページ目

30年で1度だけ、プロデューサーからリクエストが

――SNSでは、離婚を発表した時の動画に「心を打たれた」といった声が寄せられていました。

磯野 私、SNSはひとつもやってなくて。ただ、話題になったことはさすがに耳に入ってきてたけど(笑)。

――エゴサーチもしないですか。

ADVERTISEMENT

磯野 しないしない。だって、私は絶対褒められてないから。分かるから、見ない(笑)。

――離婚のものだけでなく、BTSのダンスを披露された動画も「元気になる」と話題になっていました。

磯野 ああ、嬉しい。なら良かった(笑)。

 

――『はやく起きた朝は…』ではさわやかさを大切にされているということですが、他に気をつけていることはありますか?

磯野 今思い出したんだけど、昔、番組が1社提供になったことがあったのね。その時、30年で1度だけ、プロデューサーからリクエストがあって。それが、「カフェオレとクロワッサンの香りがする番組にしてくれ」だったの。

――むずかしいリクエストですね。

磯野 私はお酒が大好きだったから、どうしても焼酎の匂いがしちゃうのよね。酒飲んで二日酔いになってベロンベロンになったとか、そういう話が多かったから。だからその注文は難しかったです。というか、私には無理でした(笑)。

 

何してもそのまま放送されるのが番組の魅力

――30年は長い時間だと思いますが、実際にひとつの番組を継続してみていかがですか。

磯野 続けようと思って頑張ってきたわけじゃなくて、気がついたら続いてて30年経ってた、というのが素直な気持ちですね。

――磯野さんはさまざまな番組にご出演されていますが、他の番組とは違う『はやく起きた朝は…』の魅力はなんだと思いますか。

磯野 何したっていいのね。だから踊ったりしちゃうし。

 前に、アイルランドの笛を買ってきて、その笛でヤクルトスワローズの『東京音頭』を吹いたことがあったの。私、ヤクルトファンだから。音も外しながらめちゃくちゃだったんけど、それ、全部そのまま放送されてたことがあってね。

――自由ですね。

磯野 もうちょっと編集してくれると思ってたから、あれはびっくりした。「放送事故じゃない? あの回」って言ったら、構成作家の人が、「他にこんな番組ないでしょ?」って。それは救われましたね。

写真=鈴木七絵/文藝春秋