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立木店長に人気メニューを尋ねてみると、自家製のかき揚げがのった「天ぷらそば」や「天玉そば」は王道の人気メニュー、細切りのネギと鶏肉をラー油で味付けした「ピリ辛鶏ネギそば」、たっぷりの豚肉がのった「肉とらそば」は常連に人気だという。そこで「肉とらそば」に「ほうれん草」のトッピングを注文することにした。
オーナーは有名プロボクサーだった
ところで、店のオーナーの大嶋宏成さんは有名なプロボクサーだった。1997年7月21日にデビューして以来、日本ランキング1位まで上りつめた達人だ。27戦21勝(13KO勝)5敗1分の見事な成績を残した。その生い立ちや雄姿に共感を覚えたファンも多く、2005年に引退するまで、いや引退後も記憶に残る大人気ボクサーだった。
引退後の37歳の時、上井草駅前にあった行きつけの総菜屋の店主が引退するのをきっかけにその場所を引き継いで「いきや」という居酒屋を始めた。そして2023年12月12日、そのとなりに「とらや」をオープンした。開店時には交友のある内藤大助さん、竹原慎二さん、畑山隆則さんなどからも花束が届いて大賑わいだったそうだ。
「ガキの時に食べていたあの味を」
後日取材すると大嶋オーナーは「街の若い連中を元気にしたい。西武新宿線に立ち食いそば屋がないので、自分がガキの時食べていた小山駅のきそばを思い出し、自分なりに作って提供しよう」と考えたという。そばは栃木県の中沢製麺の麺を仕入れている。小山駅のきそばを経営していた製麺所だ。具材やつゆの味はすべて大嶋オーナーが考えたそうだ。