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 待つこと1分。「肉とらそば」に「ほうれん草」のトッピングが登場した。大きめの陶器のどんぶりにたっぷり煮込んだ豚肉、ほうれん草がのっている。まずつゆをひとくち。おっ、これは普通のつゆじゃない。魚の旨味が前面に出た強い味だ。立木店長にきくと、配合は秘密だが煮干し、鰹節、鯖節をふんだんに使っているそうで、濃口醤油を使った返しがビシッと決まっている。煮干しというところが斬新である。そして、煮込まれた豚肉を食べてみる。生姜の香りが強く、つゆにその味が広がり、そしてにんにくの味も伝わってくる。

 そばは平打ち麺である。中沢製麺のあのうまいゆで麺である。コシが強くしっかりした麺だ。量も多い。ほうれん草はたっぷりと食べ応えがある。具材・つゆ・そばの全てがしっかりした味でバランスよく調和している。久しぶりに漢の立ち食いそばを食べた気分だ。

「肉とらそば」に「ほうれん草」のトッピング
平打ちの麺と生姜とにんにくの利いた肉の味がつゆに

きれいな春菊天も秀逸

 そして、春菊天ファンの身として、どうしても情報を収集しておきたい。「春菊天そば」を追加注文した。こちらも注文1分ほどで到着した。手のひら型に揚げられた春菊天の美しいこと。程よいコロモと春菊の揚がり具合がちょうどよい。食べるとほろ苦い味が口内に広がる。強めのそばつゆとのバランスがなかなかよい。

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手のひら型に揚げられた春菊天
春菊の緑が綺麗だ

人情系立ち食いそば屋だった

 大嶋オーナーはYouTube「大嶋宏成のごっつぁんすTV」の配信も行っている。その中に開業時の動画があるのだが、それをみていても若い仲間の面倒を見たり、人情味あふれるキャラクターを存分に発揮している。友人達がいることが自分の宝物だという大嶋オーナー。小山のきそばのファンだったことや立ち食いそばが好きだったことが「とらや」の開店に繋がったということを取材できてすごく爽快な気分だ。

 これで「肉とらそば」が人気になれば、西武池袋線だけでなく西武新宿線でも「肉そばブーム」が広まるかもしれない。そう考えるとなかなか楽しい。「いざ上井草、いざとらや」である。

大嶋オーナーは寅さんが大好きらしい

INFORMATION

「そばうどん とらや」
住所 東京都杉並区上井草2-45-6
営業時間 火~金 6:00~15:00
     土日祝 8:00~15:00
                 ※月曜定休日
https://www.instagram.com/toraya.20231212/