コーディネートのカウンセリングはもちろん、ショッピングや美容室への同行、自宅のクローゼットチェックやメイクレッスンまで行って、17年間で約3万人の人生を変えてきたパーソナルスタイリストの霜鳥まき子さん。そんな霜鳥さんの「週刊文春」連載コラムをまとめた新刊『似合う服だけ着ていたい 幸せを呼ぶ「名刺服」の見つけ方』の一部を抜粋し、紹介する。(全3回の2回目/続きを読む

霜鳥まき子さんの新刊『似合う服だけ着ていたい 幸せを呼ぶ「名刺服」の見つけ方』

◆◆◆

 約700着と21着。私がこれまでのクローゼットチェックで見た最多と最少の洋服の数です。仕事の関係でドレスコードが多岐にわたる方と、少なく持ち、着回すと決めた方。理由やポリシーがあり、きちんと収納できた上で本人の目が行き届いていれば、どちらの服の数もその人にとって妥当だと私は思います。ただ、服を少なくお持ちだった方は、着回すために無難服ばかりが手元に残ってしまっており、気分が上がらないと弊社にいらっしゃったので、気分が上がり、なおかつ着回せる21着に挿(す)げ替えました。

ADVERTISEMENT

テレビでも人気の霜鳥まき子さん

買い足したら代わりに何かを処分

 私個人の意見としては、年間で着回せて、急なお出かけにも慌てない洗練された満足度の高い服が中心のクローゼットであれば、特別な服や部屋着を除き、通常は年間50着程度で十分だと思います。多くの方が「買い足したら代わりに何かを処分」をしておらず、「高かった・まだ着られるのでもったいない・もらいもので処分しにくい」などの理由で服を増やし続けます。そうすると、いざ着ようと思ったときにクローゼットでシワくちゃになっていたり、買ったことすら忘れていたり。結果、いつも着ている服だけが目に入り「着るものがない」「代わり映えしない」「去年は何を着ていたんだろう……」と嘆くことになるのです。自分でコントロールできる量を持ち愛用していく、というのが大人の嗜みですし、環境にも優しいですよね。