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「松本さん個人のスキャンダルに留めてしまっては…」

 1月21日の「サンジャポ」では、斎藤准教授は社会学の概念を交えて「構造的な問題」であることを強調していた。

「松本さん個人のスキャンダルに留めてしまってはいけない。これはもっと構造的な問題だと思うんですね。『ホモソーシャル』という社会学の概念がある。『男同士のつながり合いのための欲望』という意味なんですね。性的な欲望を満たすだけであれば、良し悪しは別にして、例えば性産業もあるわけですけれども、今回、たちが悪いのは後輩の芸人の人たちを使って、“共同のちょっと悪い秘密”みたいなものを使って、自分たちのつながり合いを強めていく。そのために女性を利用していく。これがホモソーシャルの悪いところ。こういう構造があって、それにメディアも含めて乗っかってきたことについては、私たちもしっかり反省していかなければいけないと思いました」

テレビのコメンテーターには「2種類」の人たちがいる

 筆者が放送局で報道や制作現場にいた経験から述べると、テレビのコメンテーターには大きくわけて2種類の人たちがいる。一つは、大学教員や弁護士など、ある分野について詳しく専門的な見地で解説できる人たち。一歩先の視点から、俯瞰で物事を見てわかりやすく説明する能力が求められている。もう一つはタレント性があり、人間的に親しみやすく共感できる視点をもった人たちだ。アイドルやお笑い芸人などがこのタイプで、人気者ほど視聴率にも跳ね返ってくる。

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 松本人志の問題についてどう報じるのか、初期に注目を集めたフジテレビ系「ワイドナショー」年末3時間生放送スペシャル(2023年12月29日放送)で、みずから毅然と意見を述べたのがタレントの指原莉乃だった。指原はアイドルでありながら、社会問題を評論する立ち位置をいつのまにか獲得している。

指原莉乃 ©時事通信社

「8年前のことっていうニュアンスもすごくよくない」

「本人たち以外がやったやってないっていう話をしたりとか、じゃあ女性がついていったのが悪いんじゃないかっていう話をネットが今してるじゃないですか。それがそもそも一種のセカンドレイプなんじゃないかって私は思うので。そういうのが早くなくなればいいなというか、裁判するかもしれないってことなのでその辺は、やったやってないはそこでお話しするべき」

「8年前のことっていうニュアンスも私はすごくよくない風に感じていますね。時間が経っても同じように扱うように思うので。被害者とされる方に常に寄り添ってもらえるような雰囲気になったらいいのになって思います」