文春オンライン

「既に女性をモノのように…」松本人志問題でテレビがコメンテーターに“求めるもの”

2024/02/20
note

 学生を含めて若い女性に人気があるモデル、タレントのアンミカは、1月21日の「サンジャポ」で次のように発言した。2月10日に近畿エリアで放送された関西テレビの「LIVEコネクト!」でも、同様の意見を展開している。

TBS「サンデー・ジャポン」1月21日放送より

「よく『数年前は許された』とか『昔だったらここまで問題にならなかった』というお話もあるんですけど、昔から(女性は)嫌なんです。女性は『偉いさんと写真撮るよ』と偉いさんが腰に手を回してくるとか、肩を触られるとか、嫌なんです。でもこれを嫌だと言ってしまうと、『ちょっと偉いさんに恥をかかせて』とか、『そんなに大騒ぎするほどの減るもんちゃうやろ』っていうけど、やっぱり心はすり減っていくし、それを言えなかったことが後で自分の中で大きくなったり……。

 じゃあ自分で『ノー』と言えばいいじゃないというけど、『ノー』と言えない空気が、そうやってみんなが『大げさに言って』と言われる空気が作られるところで『ノーと言えない社会』が作られていっていることは問題」

ADVERTISEMENT

「性加害があったかなかったかじゃなくて」

 最後に、情報番組の中でも法律論や裁判の行方についてこだわりを見せているのが日本テレビ系「ミヤネ屋」(制作は読売テレビ)だ。

日本テレビ系「ミヤネ屋」2月8日放送より

 2月8日の放送では元大阪府知事・元大阪市長の橋下徹弁護士が、刑法上の性的同意の新たな認定について、事態が予測不可能な場合、睡眠状態、お酒を飲んでいる、仕事上の上下関係がある場合など、そうした環境のもとで信頼関係がない相手と性行為を行ってはならないとルールが変わってきていると述べ、法律面から“時代の変化”について言及した。

「女性に限らず、同意のない性行為をされた人を救っていこうと、そこを見ないといけない。性加害があったかなかったかじゃなくて、松本さんたちの今までの飲み会での態度、振る舞いが、今ではダメだよと言われていることなのかどうか?(中略)性加害の有無の話は今、(主要な問題では)なくなってきている」

 テレビ番組では、「いまはどんな時代なのか」といった時代感覚そのものや、「個々の事件がこの時代にどのような立ち位置を占めているのか」について、わかりやすく解説することができるコメンテーターを求めている。松本人志の問題を報道するにあたっても、そのラインからずれることなく、社会や世相を批評するコメントを出演者にさせようというテレビ局側の意図が見えると、筆者は考えている。

「既に女性をモノのように…」松本人志問題でテレビがコメンテーターに“求めるもの”

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー