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「実家に帰ります」蘭さんの置き手紙を読んだ水谷さんは…

――実家に帰っても水谷さんは、まだ寝ていたんですか。

伊藤 気づかずに寝ていたんですけど、「実家に帰ります」という置き手紙を読んで、「えっ」と思ったらしく。少し経ってから、迎えに来てくれました。夫婦の間で何かあったのはその時ぐらいで、子育てをしている時から今に至るまで、けんかをしたことはないです。基本的には子どもの意思を尊重して、ふたりでそれを見守りながら育ててきました。

 

――幼稚園、小学生になるとママ友との付き合いが出てくると思います。蘭さんは、ママ友との付き合いを楽しんでいましたか。

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伊藤 当時のママ友とは、今もお付き合いが続いている方もいます。豊さんもママ友とふれあうことが多かったですね(笑)。「今日は誰々ちゃんの家に迎えに行ってきます」と言って出ていって、ママ友たちとお茶をして帰ってくるんです。

 ママ友の会みたいなのも「僕はいいよ、行かないよ」とは言わず、積極的に参加してくれて。私も楽しんでいましたが、豊さんもママ友やパパ友とのふれあいを楽しんでいました。

「今の道に進んでからは…」個性派女優として活躍する趣里さんへの思い

 成長した趣里さんは、バレエの道に進むも、ケガのために断念。水谷さん、蘭さんと同じ役者の道を歩むことになった。今ではNHKの連続テレビ小説『ブギウギ』での演技力が高く評価されるなど、個性派女優としての地位を確立しつつある。

――趣里さんが女優の道を選択した際、蘭さんは、どう思われたのですか。

伊藤 最初は、豊さんと同じく、この世界が大変だとよくわかっているので迷いがありました。芸能界とは異なる世界で生きたほうが世界が広がるし、趣里にとっていろんな可能性が増えると思ったからです。

 

 でも、趣里の意志が強く、女優として生きていきたいということでしたので、最終的にはその意志を尊重して、頑張って、という気持ちになりましたね。小さい頃から子どもの気持ちを尊重して育ててきたので、今の道に進んでからは応援しています。