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女王ザギトワ「秋田犬狂想曲」 どうしてこんな大騒ぎになったのか?

マサルか、マサルではないか、それは胸の中

2018/04/07
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ザギトワはヨークシャーテリアは小さいと感じていた

 そんなザギトワだが、じつはすでに3匹のペットを飼っている。愛猫ブリティッシュショートヘア(名前はイリースカ)とチンチラ2匹(名前はディンカとトーシュカ)だ。以前、ヨークシャーテリアを飼っていたこともある。いい犬だったが、小さいと感じていた。その点、秋田犬は一緒に散歩が楽しめて、もしものときには守ってくれる。そんな秋田犬が欲しいと思ったのだそう。

 秋田犬の魅力は「こぐまのようにモフモフしていてかわいい」こと。一方で「難しい性格で、よくしつけないといけないそうですが、がんばります」と語っている。秋田犬についてロシア語で書かれた本を読んで飼い方を学んでいる。

秋田犬の飼い方を勉強中 ©時事通信社

 贈られるのは生後3カ月ほどの子犬で、今後は4月中に写真で選定をし、5月3日に秋田県大館市で行なわれる品評会でお披露目、6月1日前後にモスクワで引き渡される予定だという。ザギトワの16歳の誕生日が5月18日だから、ちょっと遅めながらすばらしい誕生日プレゼントになりそうだ。

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銀メダリスト・メドベージェワはフレンチブルドッグ

 ちなみに、ザギトワが練習するモスクワの所属クラブでは犬のペットの人気が高い。たとえば、同じく平昌五輪で銀メダルを獲得した先輩のエフゲニア・メドベージェワは、ジェリーという名のフレンチブルドッグを飼っている。4回転ジャンプを成功させて話題となっている後輩のアレクサンドラ・トゥルソワが飼っているのは、ティーナという名のチワワ犬だ。近い将来、近所の公園で犬を散歩させる3人の姿が見られるかもしれない。

「私はあまり感情を出さないほうなんです。家に帰ってようやく自分の素の感情が出せます」と自身の性格を明かすザギトワにとって、また、毎日スケート漬けで同年代の友だちがほとんどいないというザギトワにとって、ペットはともすれば人間よりも大切な存在である。

©getty

マサル(仮)が意味するもの

「ペットとおしゃべりするのが好きです。何でも話します。ときには両親に言えないようなことも。動物はけっして裏切りません。私のよき理解者なんです」

 地方に住む両親と離れ、モスクワで祖母と二人暮らしをしているザギトワ。以前のインタビューで「フィギュアスケートで勝ち続ければ、家族をモスクワに呼び寄せることができる」と語っている。勝利を意味する「マサル」という名前にはそんなザギトワの切実な願いが込められているのかもしれない。マサル(仮)が幼気な少女の心をしっかりと支える、よき友になってくれたらと思う。

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