米大リーグ、ドジャースの大谷翔平(29)の結婚は世界へのビッグサプライズとなった。発表された時、日本は2月29日午後4半頃、大谷がキャンプを行っている米アリゾナ州グレンデールは29日午前0時半頃で日付が変わったばかりだった。大谷は自身のインスタグラムで「結婚いたしました事をご報告させていただきます。(中略)お相手は日本人女性です」とつづった。
3月20日のメジャー開幕戦へ順調に調整を進める中、4年に一度のうるう日となる2月29日、29歳というタイミングでのまさかの発表だった。手練れの米国人野球記者にさえ誤報を打たせるほど秘密裏に交渉を進めたドジャース移籍時と同様、結婚でもまたも日米のメディアを出し抜く形になった。
しかし、ここ数カ月の動きをつぶさに見ていくと、いくつもの予兆があったことに気付く。
ながらく、大谷の結婚は世界的な関心事だった。昨オフにドジャースとは世界のスポーツ史上最高額の10年総額7億ドル(約1015億円=レートは当時)で契約に合意。「世界のオオタニ」となり、ニュースバリューは極限まで膨らんでいた。
「結婚とか子供も含めて平穏に暮らしたいなというか」
それでも、浮いた話ひとつ出てこない。シーズンは球場と自宅の往復で、オフもトレーニング漬けの日々……。自身初の最優秀選手(MVP)に輝いた21年のオフ、日本記者クラブで臨んだ会見では結婚のタイミングを問われ「特に考えていないですね。良きタイミングでというか……。そうなるようにしかならないものだと思っているので。今のところまだまだ少し先じゃないかと思っています」と答えている。
一方で、昨年12月に自身のスポンサー企業が公開したインタビュー動画では具体的な結婚のビジョンに触れた。
「結婚とか子供も含めて平穏に暮らしたいなというか。心が平穏なことが何よりもいいことかなと思うので、私生活はそうでありたいなと。仕事柄、多くの人の前でプレーするということをしているので、それはまた違う楽しみ」
違いは明白だった。