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 しかし、

《質疑を行った自民党の中谷真一氏は、二階氏の身代わりとして武田氏が政倫審に出席したとして「さすが代議士だと思います」と持ち上げた。》(産経ニュース2月29日)

 なぜか持ち上げられていたのである。こうして衆院の政倫審は終了。この「イベント」が始まる前から次のように指摘していたものもあった。

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《政倫審出席が今国会の天王山のように扱われることも片腹痛い。弁明の機会を与えることで国会の機能を保つための政倫審が与野党攻防の本丸や、予算案の駆け引きのようになること自体が茶番と化す。》(日刊スポーツ2月29日「政界地獄耳」)

疑惑議員の駆け込み寺

 そう、歴史を調べると偽証罪がある証人喚問を避けたいがために政倫審に出て、それをもって「禊(みそぎ)はすんだ」と幕引きを狙う場にも利用されていたこともある。「政倫審は“疑惑議員の駆け込み寺”と呼ばれる」とも(信濃毎日新聞3月2日社説)。

 そんな政倫審が天王山のように扱われるのは本来おかしい。しかも政倫審はいつのまにか予算案を通すことの駆け引きの場になっていた。素朴な疑問なのだが、自分の裏金や党のカネの問題をクリアにできない人たちになぜ国の予算を任せられるのだろうか? 最も感じる矛盾である。

 政倫審1日目の終わり頃、大谷翔平結婚のニュースが飛び込んできた。翌日は安倍派幹部出席の政倫審がまだ控えていたが、

《党執行部に深刻さはない。党三役の一人は29日夜、大リーグの大谷翔平選手の結婚報道に触れ「今日はもう、大谷のニュース一色だ。明日も(大谷選手の)会見がある。明日も大谷だ」と余裕を見せた。》(朝日新聞3月1日)

 ああ、とことん舐められている。