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猿渡 宮﨑駿監督はアメリカでも尊敬されていて、これが最後の作品になるかもしれないこともみんな知っています。

町山 巨匠の人生に間に合った感でしょうね。話自体はよくわからなくても、フェリーニの映画みたいに個人的な物語を観せられている感じで。

制作費、広告費をかけず北米でも大ヒットの『ゴジラ-1.0』にぜひ!

猿渡 視覚効果賞は他が製作費2億ドル規模の中『ゴジラ-1.0』は1500万ドルですから、ここが認められると嬉しいとは思います。そこを基準にするか、それとも今できる最高の技術を評価するかは投票者の心理次第ですね。私は『ザ・クリエイター/創造者』にしたんですけど、これも8000万ドルと2番目にお金がかかってないんです。

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町山 ギャレス・エドワーズ監督はデビュー作『モンスターズ/地球外生命体』(10年)同様、インディペンデント映画のやり方で今回撮ってるんです。アジア各地を手持ちカメラで撮ってまわって、グリーンバックもセットも使わない。それでも2億ドル規模の製作費の映画にみせるということができるんだぞってやったら、さらに上回る安い映画があとから出てきた(笑)。

『シン・ゴジラ』から7年ぶりの“和製ゴジラ”がアメリカでも大ウケの『ゴジラ-1.0』。スピルバーグ監督が「3回観た」との話も ©2023 TOHO CO.,LTD.

猿渡 しかも『ゴジラ-1.0』は北米の外国映画興収で歴代3位ですから。広告費を全然かけてないにも関わらず。

メラニー 過去には『エクス・マキナ』(15年)が同じく製作費1500万ドルで受賞しているので、『ゴジラ-1.0』もぜひ獲ってほしいです。

(監督賞、主演男優賞、主演女優賞などそのほかの注目賞の予想は誌面でお楽しみいただけます。)