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スリムなヒーローがシリーズ作品の顔になる時代
しかし、そんなシャラメが『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(2023)ではミュージカル映画の主役を堂々こなし、続く『デューン 砂の惑星PART2』(2024)では銀河系の救世主となって雄叫びを上げる。それは、スリムなヒーローがフランチャイズムービーの顔になった劇的な瞬間だった。
「筋肉増強でイメチェン成功」の最後はザック・エフロンか?
では、ハリウッドのマッチョ神話は終焉を迎えたのか。そう言い切るにはまだ早い気もする。最新作『アイアンクロー』(2023)で実在のプロレスラーを演じ、自己最高の評価を獲得しているザック・エフロンは、リスクが伴うバルクアップトレーニングによってレスラー然としたボディを手に入れている。もうそこには、『ハイスクール・ミュージカル』(2006)でシャギーにした髪を靡かせ、DIESELのローライズ&Tシャツで歌い踊っていた少年の面影はない。皆無だ。スリムなハイスクールボーイがその後、サバイバルまたはイメージチェンジの手段として筋肉増強を用いて成功する。これはハリウッドのヒストリーで最後のケースになるのかもしれない。
因みに、筋肉のパイオニアであるスタローンは、70歳を過ぎた今も週6回の筋トレは欠かさないと聞くし、シュワルツェネッガーは昨年1月から“アーノルド・パンプ・クラブ”というメルマガをスタート。そこではシュワ自身が1日5分から始められる筋トレメニューを紹介していて、マニアの間では好評だ。