キャリアブレイクが生み出した納得感のある転機
四国一周から帰ってきてからは、「自分の心が動くこと」「自分が本当にしたいこと」にフォーカスできるようになったと言います。所属していたコミュニティ内で自分がワクワクすることを企画したり、商品開発をするプロジェクトで0からものづくりをしたり、働いてみたかったBARでバイトをしてみたり。その中で、「組織に属してチームの一員としてサービス作りに携わりたい」と思うようになり、転職活動を始めました。
キャリアブレイク中に「自分たちで企画して、それを“形”にする」を経験したことが大きかったようです。ゲストハウスやBARで「人が集まる場」に携わり、将来的にはサードプレイスのような場を作ってみたいと思うようになっていました。今はカフェやレンタルスペースなど“空間”を運営する会社に転職をし、マーケティングや事業企画の業務を担当しています。大きい会社ではないので、実際のところ多岐にわたる業務を担当していますが、前職とは違う学びがたくさんあるそうです。
えつこさんのように、直観的に離れることが必要だと感じて離職する方もいます。あまり先を決めずに、直観的だからこそ、周りからはびっくりされます。もちろん働きながらも学んだり、活動したり、自分の心が動くことを見つけたりはできるかもしれません。しかし、今あるものを手放したからこそ、入ってくるものは大きく、納得感のある転機を生み出します。
キャリアブレイクをしたえつこさんは、「自分の心が動くことにフォーカスできるようになりました」と語ります。自分の心が動くことにフォーカスし、自分のパワーが発揮される方向へ進んでいくと、離職する前には考えられなかった新たな道を納得して選ぶことができるのです。
学び直しを経て新たな道へ進む人たち
他にも、様々な形で転職する人たちがいますが、いくつかの特徴があります。まず、復職と同じく「パーパス型」「スラッシュ型」の方がいます。それに加えて、キャリアブレイクの途中で、新たな進路に興味が湧いた人たちは、学校に通ったり、その道に進むためのアルバイトをしたり、スキル習得の道に進む「リスキル型」の人もいます。デザイナー、IT、看護師、イルカの調教師など、様々なスキル習得を目にしてきました。辞める前から、目指している資格があってそれに向かって精進する人もいますし、キャリアブレイク中に人生を模索した中で、ITプログラマーが私の人生に適しているかもしれないと気付き、スキルスクールに通う人たちもいます。
日本には離職者訓練や求職者支援訓練という厚生労働省がサポートしている職業訓練の制度があります。そこでは、デザインやプログラミング、簿記会計、医療事務、などいくつかのコースを学べます。場合によっては雇用保険が適用され、無償で受けられることや、手当てがもらえる場合もあります。