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少ない日本のアーティストの政治的メッセージ

 これだけ明確な政治的メッセージを発信するアーティストは日本ではそう多くはない。反原発を打ち出した忌野清志郎さんの『サマータイム・ブルース』は数少ない例だ。そこで思うのが俳優で歌手の“キョンキョン”こと小泉今日子さん。政治的・社会的問題について自らの考えを発信し、反発があっても続ける理由をこう語っている。

「政治の話って言うけど、結局は自分の生活や人生の話だと思うんです。それを発信しないのはおかしいと逆に思ってて。国民的な問題についての個人的な発言じゃないですか。自分が感じることは普通に発言するのが普通のことだと思います」

 映画は締めくくりでこんな言葉が出てくる。

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「レゲエは世界に広まってる。できれば君のところにも届いてほしい」

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 ほんと、日本にも届いてほしい。レゲエの反骨と反逆の精神が。じゃないと、いつまでも“奴ら”に抑圧されることになるよ。そんな世の中を変えたいすべての方に、この映画をオススメします。レゲエよ、永遠なれ。…そういえばクラプトンもボブの『アイ・ショット・ザ・シェリフ』をカバーしてたな。ボブ・マーリーの映画も現在上映されている。

監督:ステファン・ポール/出演:ジミー・クリフ、ナディーン・サザーランド、ムタバルーカ、バーバラ・ジョーンズ、ミリアム・マケバ、ボブ・マーリー/1981年/ジャマイカ・西ドイツ合作/93分/提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム/3月22日(金)より全国順次ロードショー