友だちって、どう作る?
大前 そもそも、友だちってどうやって作ればいいと思いますか? 考えてみたら友だちっていないなと思って。高校の友だちは大学に上がるタイミングでもう連絡を取らなくなったし、大学の友だちは卒業するタイミングで全く連絡を取らなくなったしという感じで。ないものねだりなだけだと思うんですけど、結局友だちづきあいがあったらあったで、僕は絶対めんどくさいなと思っちゃう。でも友だちと遊ぶみたいなことがいまほとんどなくて、老後とかやばいんじゃないかってすごい思ってて(笑)。
高瀬 そんな、まだまだ先ですけど(笑)。と笑いつつ、でもわかる……。
大前 でも大人の、特に男性が、誰かと友だちになるってどうしたらいいんだろうって思うんですよね。職業も小説家っていうちょっと変な職業で、小説書いてますとか言うと「こういうアイデアどうですか」ってノリノリで言われたり、「自分は学生時代作文とか全然ダメでした」と言って接点を作ろうとしてくれたりするんですけど、そういうのに対するうまい返し方がいつもわからなくて、「へえ、そうですか」で終わってしまって心苦しいんです。
高瀬 私は小説家になって友だちが増えたんですよね。10年くらいずっと増えも減りもしなかったんですけど、小説家になってから小説家の友だちが増えました。でも友だちと思ってるのは私だけかもしれない、といま喋ってて不安になったんですけど……向こうからしたらただの同業者なのかもしれないですよね……。頻繁に飲みにいくとかではなくて、LINEで「小説書けた?」「書けてない」「私も」みたいな感じなんで。じゃあ月一でお茶してたら友だちだと思いますか?
大前 それは友だちだと思います。
高瀬 自分から言ってみて、そんな人ひとりもいないなってなっちゃいましたけど(笑)。では、半年に一回お茶してたら友だちですか?
大前 そうですね、それも友だちなんじゃないですかね……たぶん。なんかわかんなくなってきちゃった。
高瀬 友だち同士ってこういう条件を設けないですよね、きっと。友だちの作り方、教えてほしいですよね。
大前 そうですよね。
高瀬 教えてもらったら実践します?
大前 それはちょっとわかんないですね(笑)。
一同 (笑)
大前 僕がお酒を飲めないっていうのも大きいのかなって思ってて、あることないこと適当に言える相手がいたらいいなと思います。
高瀬 お酒が飲めなくてもお酒の場はどうですか?
大前 いや、うるさいなって(笑)。
高瀬 それなら昼間にお茶とか散歩するとかがいいですよね。いっしょに散歩するのはめっちゃ友だちじゃないですか。
——お二人に提案なんですけど、大前さんがいつも歩かれるコースを高瀬さんもいっしょに歩かれたらどうですか。
高瀬 いっしょに⁉ いま一日50歩くらいしか歩いてないんですが(笑)。
大前 歩きましょう歩きましょう。
高瀬 1時間はきついんで15分から始めたい……なんならゴールだけごいっしょして、お茶したいです。
大前 ゴ、ゴールに高瀬さんがいるんですか?(笑)
高瀬 ゴールまで電車で向かってお茶すれば、歩かずに済む(笑)。カフェ集合にしましょう!
大前 それは散歩ではないですね(笑)。でも近くに素晴らしいスーパーがあるので、紹介します。ディズニーランドみたいなスーパーで。
高瀬 えっ、どういうことですか⁉
大前 なんか、あるんで、良かったら(笑)。
2024年2月9日に往来堂書店にて行われたイベント「理不尽と同調圧力の扱いかた」を再構成しました。