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「30周年は修士論文を書きながらツアーをする」49歳で大学院に進学する相川七瀬が語った、歌手活動をしながら学び続ける理由〈3月に國學院大學卒業〉

相川七瀬さんインタビュー #3

2024/03/23
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「チアの子たちも一緒に踊ってくれて…」箱根駅伝の壮行会で涙を流したワケ

 國學院大學で学び、サークル活動も楽しむ中で、スポーツとの関わりも増えていった。今年の箱根駅伝の壮行会の時には、箱根駅伝をイメージして作ったオリジナルソング「襷をつなげ」をチアリーダー部とともに歌い、キャンパス内は大きな盛り上がりを見せた。

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――箱根駅伝に挑む選手の応援歌を作ったのは、何か理由があったのですか。

相川 陸上競技部の伊地知(賢造)君が同級生だったので、2年前の箱根から現地で応援していたんです。実際に往路と復路の大手町で見えてきたのは、みんなすごい孤独を抱えて走っているんだな、ということでした。

 あの歌は、大手町で見た彼らのリアルな世界を表現したくて作りました。たぶん、生で箱根駅伝を感じなければあの歌詞は出てこなかったと思います。でもあれは実は、もともと横浜ベイスターズの応援歌として作っていた2曲のうちの1曲だったんです。

――ベイスターズの応援歌が箱根駅伝の応援歌になったのですか。

相川 デモテープを聞いた時、すぐにあのサビの後のメロディに「襷をつなげ」という歌詞が降りてきた。それで仮の歌詞を書いてみて歌ったら、躍動感のある曲になったんですよ。それで、これは駅伝を走る全ての選手に向けた応援歌にしよう、と決めました。

 昨年12月、大学の箱根駅伝の壮行会で歌わせていただいたのですが、みんながとても感動してくれたので、自分の書いた歌詞は間違っていなかったんだなと安堵しました。チアの子たちも一緒に踊ってくれて、曲が終わった後、私自身も感動して涙が出てしまいました。

壮行会で「襷をつなげ」を歌う相川七瀬さん(相川七瀬さんのInstagramより)

大学院に進学して何を学ぶのか?

 相川は今年3月20日に國學院大學を卒業し、今春から國學院大學大学院文学研究科伝承文学専攻に進学する。これからさらに2年間は、祭事や神事だけではなく民俗学を学んでいくことになるが、その先にいったい何を見ているのだろうか。

――大学院に進学した先、やりたいことが見えているのでしょうか。

相川 対馬・種子島・岡山で赤米神事に関わらせていただいているのですが、私がそこで得たものを研究し、それをまた地域に還元することでお祭りが長く継承されていけばいいなと思っています。自分のやっていることが、少しでも社会貢献になるように全力を尽くしたいと思っています。