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「30周年は修士論文を書きながらツアーをする」49歳で大学院に進学する相川七瀬が語った、歌手活動をしながら学び続ける理由〈3月に國學院大學卒業〉

相川七瀬さんインタビュー #3

2024/03/23
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「不思議なポジションにいました」國學院大學での意外なキャンパスライフ

 勉強時間は、子どもたちが学校から帰ってくるまでの間で、1日平均すると3~4時間だった。高卒認定試験を受ける時から「大学にもしも通うとしたら……」と考え、志望校はほぼ決めていたという。それは科目等履修生として國學院大學の授業を受けた際、その講義が非常におもしろく、祭事や神事について深く学べそうだと思ったからだ。

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――高卒認定試験が終わって、すぐに大学受験の準備に入ったのですか。

相川 そうです。そして、大学受験では小論文を避けて通れない。その書き方とかテクニックをまわりの人や、家庭教師の先生などから学んで、ひたすら書く練習をしました。私は職業柄、文章を書くことが多いので書くことは得意だと思っていたけれど、大学で求められる小論文というのは全く違う。そのギャップを埋めるのに、入学してからもですが、四苦八苦しました。

 

――2020年に國學院大學の神道文化学部に合格して、晴れて大学生になるわけですが、大学にいくと注目され、その視線が面倒だなと思うことはなかったですか。

相川 2020年はコロナでほとんどの授業がオンラインだったので、初めの1年はキャンパスライフみたいなものはなかったんです。コロナが落ち着いてからクラスの人たちに会えて、リアルな同級生になりましたが、特に周囲の視線とかは気にならなかったですね。

 授業後、ご飯を食べに行ったり、遊びに行ったり、楽しんでいました。3、4年になってからは就活で悩んでいる子の話を聞いたりすることも増えました。同級生はちょうど長男と同じ年齢ですし、親から進路のことを言われると腹が立つけれど、私が言うとそうはならないみたいで、みんな結構素直に話をしてくれるんですよ。なんか、同級生でありながら、親とか姉みたいな、不思議なポジションにいましたね(笑)。

――サークルに入ったり、飲み会にも行っていたんですか。

相川 御神輿のサークルに入っていました。どこも神輿の担い手が少ないので、祭りがあると派遣されるんです。でも、私が公に参加すると、何かあった時に迷惑をかけてしまうし、神輿を担がなければいけないのに、私の所に人が集まってしまうと違う趣旨になってしまうので、そこはおとなしくしていました(苦笑)。