3月10日(日本時間3月11日)に授賞式が開催された米アカデミー賞。毎年恒例のアカデミー賞予想を行った3人の的中度はいかに? 結果を踏まえ、3人それぞれが今回のアカデミー賞を振り返る。
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懸念されてきたアカデミー賞と一般視聴者の乖離
今年は断然『オッペンハイマー』がフロントランナーだというのはわかっていながら、あえて『パラサイト 半地下の家族』が『1917 命をかけた伝令』を制した時のようなどんでん返しがあればという期待も込め、観た人の間で評価が非常に高く、意義深い『関心領域』の作品賞を予測してみたのだが、結局、サプライズはなかった。しかし、そのほうが授賞式にとっては良かっただろう。『オッペンハイマー』は全世界で10億ドル近くを稼いだ大ヒット作。このレベルの世界興収を誇る映画が作品賞を受賞するのは『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』以来20年ぶりで、アカデミーと一般視聴者の好みがかけ離れていることが懸念されてきたからだ。