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“無視されて恨む役”で受賞したのに…傲岸不遜な「トニー・スターク」に戻ったみたいだったロバート・ダウニーJr. 〈アカデミー賞予想 答え合わせ〉

「町山智浩╳猿渡由紀╳Ms.メラニー アカデミー賞予想大座談会」答え合わせ編 #1

2024/03/24

source : 週刊文春CINEMA オンライン オリジナル

genre : エンタメ, 映画, 国際

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 3月10日(日本時間3月11日)に授賞式が開催された米アカデミー賞。毎年恒例のアカデミー賞予想を行った3人の的中度はいかに? 結果を踏まえ、3人それぞれが今回のアカデミー賞を振り返る。

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あえて『バービー』で大穴を狙ったが…

 アカデミー賞、今年も授賞式の中継で解説させていただきました。

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 最近の作品賞は番狂わせばかりだったので、今回はあえて『バービー』で大穴を狙ったんですが、本命の『オッペンハイマー』が受賞しました。『オッペンハイマー』は登場人物50人が何の説明もなく次々に登場し、2つの時間軸が回想しながら交錯するという実にわかりにくい映画なので、自分も完全に理解するまで5回も観ました。投票者はそんなに暇じゃないので人気ないかと思ったんですが。

大座談会では「投票者の好感度が高い作品が獲る傾向が続いている」ことを踏まえて『バービー』を作品賞に予想 © 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

アメリカ先住民を搾取してきた歴史を変えるチャンスだったのに

 日本で話題となっている助演男優賞のロバート・ダウニーJr.がプレゼンターのキー・ホイ・クワンと目を合わせずにオスカーを受け取った件は、確かにダウニーが傲岸不遜なトニー・スターク役(※自身が演じる『アイアンマン』の主人公)に戻ったみたいだった。オッペンハイマーに無視されて彼を恨んだルイス・ストロースの演技で賞を取ったのに。

歴代受賞者との撮影でおどけた表情を見せるロバート・ダウニーJr.(左から3人目)だが…。キー・ホイ・クワン(左から5人目)はベトナム出身。昨年『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で助演男優賞を受賞した(アカデミー賞公式インスタグラムより)

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