「もっと料理を極めたい」――そんな思いから、42歳にして大学に再入学することを決めた料理研究家のみきママさん。料理研究家としての仕事、子育て、学業と1つでも大変なことをなぜ全てこなせるのか? インタビュー後編では、みきママさんのバイタリティの秘密に迫った。(全2回の2回目/前編を読む

仕事、子育て、学業をこなすみきママさんの「バイタリティの源」とは? ©細田忠/文藝春秋

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42歳で大学に再入学した理由

――2022年春から大学に再入学して栄養学を学んでいるそうですが、なぜ決断したのですか?

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みきママ 離婚をして第2の人生、何をしようか考えたんです。私は120歳まで生きるつもりなので、「まだ40歳かあ」って(笑)。もっと料理を極めたいし、そのためには「栄養って大切だな」と思いました。管理栄養士の資格を取れば、献立についてさらに色々なことを皆さんに教えてあげられます。そのために大学に入って国家試験を目指すことにしました。

――40代の大学生生活はどうですか?

みきママ 学費が高いです(笑)。元を取るためにも、授業中は率先して手を挙げるし、終わってからも先生に質問しに行きます。今の子たちは自分でスマホで調べられるから、分からないことがあっても聞かないことが多いですね。でも私は昭和の人間だからすぐに質問するし、先生の話が聞こえなかったら「今の声小さかった、もう1回言ってください!」と言っちゃいます。すると、まわりの子たちから「私も聞こえなかったんです」と感謝されたりすることがあります。

 20代の若い子たちに負けたくないんです。すごく勉強を頑張っているので、成績も結構良いんですよ。この間は調理実習で、茶碗蒸しを早く作って、順位は1位になりました。

――プロの料理研究家なのに、手加減無しなんですね……。

みきママ 学生さんたちが生まれる前から茶碗蒸し作ってますからね(笑)。私が1位になったときは皆すごく悔しそうだったし、なかには実習中に「これはこうやって作るんですよ」とアドバイスしてくれる子もいるんです。そうやって向かって来てくれるのがすごく嬉しくて、私のことを料理研究家ではなく1人の学生として見てくれてるんだなと感じます。