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「そこで一平ちゃんのお父さんが働いていて親しくなったんです。一平ちゃんは当時6歳くらい。お父さんと一緒にお店に来たことがありました。私なら両親をオヤジ、オフクロと呼ぶのに、彼は両親を『お父さん』『お母さん』と丁寧に呼んでいた。(両親が彼を)怒ったところも見たことない。家族で話している姿を見て素晴らしいなと思ってました」

松木氏が営む日本食店でアルバイトをしていた

水原氏がバイトをしていた日本食店「古都」 ©文藝春秋

 その後、水原氏は地元のダイヤモンド・バー高校を卒業し、2006年ごろから松木氏が営む日本食店で働き始めた。

「アルバイトのきっかけは、色んな就職活動をしていた中、この店だったら、食事(まかない)は私が作るし、小銭を稼げるってこと。一平ちゃんのことは、昔から知ってるし、性格もわかっているから、アルバイトをはじめてもらった。仕事内容はサーブ(食事の提供)。時には、お会計とかも、やってもらいましたよ」

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水原一平氏 ©文藝春秋 

 2009年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の際は、水原氏とともに球場で観戦した。

「イチローさんが韓国戦で活躍していた時も2人で球場にいましたよ。松井秀喜さんがエンゼルスにいたときも一緒に、試合を見に行きました。一平ちゃんが僕に『店長、野球の仕事がしたいんです』と明かしてくれたこともあります」