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1956年末のNHK紅白歌合戦では4度目の出場で大トリに

さて、笠置シヅ子と服部良一のコンビは「ブギウギ」ブームの後も、ジャズのビバップを取り入れ、マンボ、コンガなど、次々とニューリズムをアレンジして最先端の音楽であり続けていた。しかし時代は大きく変わりつつあった。

それが1956年である。笠置シヅ子はこの年の大みそか「第7回NHK紅白歌合戦」に4度目の出場を果たした。しかも紅組の大トリとして東京日比谷の宝塚劇場のステージに立った。歌ったのは、1948年(昭和23)4月にリリースした「ヘイヘイブギー」(作詞・藤浦洸)だった。

このとき、50組の歌手が出場した。淡谷のり子、二葉あき子、渡辺はま子、ディック・ミネ、霧島昇、灰田勝彦など戦前からのベテランに加え、越路吹雪やペギー葉山、三橋美智也といった戦後のスターも登場。小坂一也がプレスリーの「ハートブレイク・ホテル」を歌ったのが象徴的である。

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美空ひばりは裏番組に出演し、大トリで笠置と比べられた

ドラマ「ブギウギ」では、大晦日の「第7回オールスター男女歌合戦」で若手歌手・水城アユミが、スズ子のデビュー曲「ラッパと娘」を歌い、スズ子がトリで「ヘイヘイブギー」を歌って、新旧人気歌手の世代交代を描く。しかし水城アユミの「モデルか?」とされた美空ひばりは、前年に引き続きこの年の紅白には未出場。前年に開局した民放、KRテレビ(現在のTBS)が、紅白の真裏、同時間帯に、浅草国際劇場で「1956年オールスター歌合戦」を開催、それがテレビとラジオでサイマル(同時)放送されている。

「1956年オールスター歌合戦」には、デビューしたばかりの石原裕次郎や勝新太郎も出場。美空ひばりは、三門博の「唄入り観音経」を隠し芸として披露し、番組の最後のトリに「やくざ若衆祭り唄」(作詞・作曲・米山正夫)を歌っている。史実では、ドラマのように同じステージでの新旧対決ではなく、NHKとKRテレビの「歌合戦」の「紅組トリ対決」だったのだ。