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「東京ブギウギ」は、映画『春の饗宴』(1947年・東宝)で歌唱シーンとして記録されているが、彼女が敗戦後の厳しい時代を生きた人々を魅了したことがよくわかる。そして、没後39年、歌手引退からは67年の今年、「ブギウギ」のモデルとなったことで、服部良一と笠置シヅ子コンビが残した60曲近いレコーディング音源に、気軽にアクセスできるようになった。

また、「ブギの女王」時代に出演した25本の映画に記録されたパフォーマンスには、今見ても、ただただ圧倒される。笠置シヅ子は、まさにワン・アンド・オンリーの偉大なシンガーなのだ。

佐藤 利明(さとう・としあき)
娯楽映画研究家、オトナの歌謡曲プロデューサー
1963年、東京都生まれ。笠置シヅ子、榎本健一、古川ロッパ、渥美清など、昭和の喜劇人やアーティストについてのコラムを執筆。著書に『笠置シヅ子 ブギウギ伝説』(興陽館)、『クレイジー音楽大全 クレイジーキャッツ・サウンド・クロニクル』(シンコーミュージック)、『寅さんのことば 生きてる?そら結構だ』(幻冬舎)などがある