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 さて、今回新たに登場した「Qi2(チーツー)」は、MagSafeをベースにした業界標準のワイヤレス充電規格で、iPhoneのほかAndroidにも対応できます。近い将来、Androidスマホにもマグネットによる吸着機構が内蔵されるようになれば、現行のiPhoneと同じ使い勝手で、位置ズレのない充電が実現できるというわけです。

 またもうひとつの特徴として、これまでApple純正品など一部製品に限られていた最大15Wという充電速度を実現していることが挙げられます。さすがに最大27Wという、現行のiPhone 15シリーズにおける有線ケーブルでの急速充電には及びませんが、数年前まではスマホの急速充電と言えば18Wが一般的だったので、十分な実用性です。

 こうしたことから、現在はAndroidスマホにマグネットでの吸着機構が搭載されるのに先駆けて、Qi2対応の充電器が各社より続々登場しつつあります。複数のメーカーが対応製品を発売することもあってか、価格もすでに純正のMagSafe充電器を大きく下回っているなど、コストが安いのも一つのメリットと言えます。

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Qi2対応の充電器のひとつ、エレコムの「EC-MA01SV」(左)。実売価格は3950円と、純正のMagSafe充電器(右、実売6480円)のほぼ半額
ややパッド部の厚みはあるものの、形状はほぼ同一

iPhoneユーザはメリットあり、Androidは…

 こうしたことから、いまワイヤレス充電器を買うのであれば、「Qi2」に対応した充電器を選ぶのがベター……と言いたいところなのですが、実際に試してみたところ、これが当てはまるのは現状ではiPhoneユーザのみ。Androidユーザは、いまのところ「待ち」と判断したほうがよさそうです。それはなぜでしょうか。

 まずひとつは、Androidスマホ側にまだ、マグネットによるQi2充電器の吸着機構が内蔵されていないこと。今春以降に発売されるAndroidスマホには、Qi2対応の吸着機構が続々と搭載されるはずですが、既存モデルはそうではありません。そのため従来と同様、充電位置は手動で調整しなければならず、スタンドに立てかけられるタイプの充電器もないことから、逆に使いづらくなることが懸念されます。

現行のiPhoneは、従来のMagSafe充電器と同じくQi2充電器を背面に吸着させられます
現行のAndroidはQi2対応の吸着機構を内蔵しないため、きちんと充電できる位置を手動で探さなくてはいけません