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中日新聞社長は「妬みの対象なのは間違いない」

 この異例の人事について、中日新聞サイドはどう受け止めているのか。同社の大島宇一郎社長を直撃した。

――長田氏がトヨタの監査役に就任するが。

「トヨタ自動車さんの人事の判断ですから。まぁジャーナリストが監査役かって。そこに需要があるんだから。そこに中日新聞社の意思なんてないですよ」

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中日新聞の大島宇一郎社長 ©時事通信社

――トヨタ担当時代から、長田氏の記事はトヨタや章男氏を無批判に持ち上げ過ぎだという指摘が出ている。

「それは読んだ人の気持ち次第だよね。読者の中にはトヨタに勤めている人もいれば、トヨタで辛い目にあった人たちもいるかもしれない。どっちにも寄り添っていかなきゃいけないっていう事情はある。長田は長田なりに取材したことを書いてきた。……それはトヨタ寄りの話だったのかもしれないけど、普通だったら世に出ないような話を書いていた。それは長田だって、事実を積み上げて書いてきた」

トヨタのオウンドメディアともコラボ(トヨタイムズより)

――結果として、章男氏の単独インタビューがトヨタイムズに転載されるなど、「提灯持ち」として利用されていたのでは?

「まぁ……そこまでアクセスできたのは一つの能力だから。(同業他社の記者からは)長田が妬みの対象であることは間違いないと思うよ。トヨタは地元の世界的大企業だし、いつも喧嘩していなきゃいけないっていうことではない。でもおかしいことがあったら書くっていうスタンスには変わりはない。うちは、それはずっと一貫している」