ガバナンス専門家は「社外監査役の責任はより重いはず」
改めて中日新聞社に監査役就任などについて見解を求めたところ、以下のような回答があった。
「長田弘己氏がかつて、弊社に在籍していたことは事実ですが、退職した方について、会社として、お答えできることはありません」
一方、トヨタ自動車に監査役就任などについて見解を求めたところ、「個別の質問につきましては、回答を差し控えさせていただきます」としたうえで、主に以下のように回答した。
「新任社外監査役候補の長田弘己氏は、国内外で多くの企業を取材して培った健全な批判精神という『外の目』と、長年弊社を取材し、冷静に分析できる『中の目』を兼ね備えたジャーナリストであり、社外監査役として適任であると判断しました」
だが、トヨタでは昨年から今年にかけて、日野自動車、ダイハツ工業、豊田自動織機のグループ3社で相次いで不正が発覚する不祥事が起きたばかり。元検事で、日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク理事長の牛島信弁護士が指摘する。
「あれだけの不祥事が発覚した直後だけに、社外監査役の責任はより重いはず。長田氏の報道姿勢がご指摘の通りであれば、監査役として相応しいのかどうかについて、批判の声は上がるでしょう。いずれにしても、より厳しい視線で職務を遂行することが求められます」
「週刊文春電子版」ではオリジナル記事として、大島氏とのより詳しい一問一答のほか、長田氏が担当した署名記事の中身、長田氏が番記者として表彰された過去、トヨタが発表した社外役員基準見直しの背景、長田氏の起用に反対した取締役の存在などについても詳しく報じている。
《元コンパニオンに続き》トヨタが社外監査役に抜擢 豊田章男会長“喜び組記者”の履歴書 「社外取締役から反対の声も出ていたが…」
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